1・29 ブラジル人の意識 (2007/01/30)
「検査の結果をお医者さんと話さないといけなくなったから、エドアルドを学校に迎えに行ってよ。コレステロールが高い見たいのよ」 リベルダーデを歩いていると突然携帯にかかってきた。検査の結果が心配な様で、声にいつもの張りがない。 うちの彼女はブラジル人なのであるが、あそこか痛い、どこが痛い、といつも身体の不調を訴えている。だいたい、薬を飲みすぎなのである。何度か友人の薬草薬局から薬を買ってやったが、飲むのは最初だけなので、結局アホらしくなって買うのを止めた。薬草の場合は効き目が遅いので飲み続けなければならない。その辺が我慢できないらしい。結局、市販の薬をいつも飲んでいるようであるが、身体にいいわけがない。大体のブラジル人は痛みなどに対して驚くほど弱く、我慢ができない。うちの彼女なんてその最たるものではないだろうか。 帰ってきて「牛肉も、バターも、卵も、揚げ物も、アイスクリームも食べちゃダメなのよ。いったい何をたべたらいいの?」「運動しなきゃいけないんだって。どっか安いアカデミーを探さなきゃ・・・」 聞いているとだんだん腹が立ってきた。 「そんなお金だしてアカデミーなんかに通う必要はない! 屋上で毎日走ればいいんだ」 確かに、うちの周りは少々危ないので、ちょっとジョギング、という感じではない。しかし、すぐにお金を出してアカデミーに入ろうなんて根性が気に入らない。いままでいろんなブラジル人を見てきたが、何かをやりたいとなると、すぐにどこかに習いに行こうとする。例えば、コンピュータを始めたいとなると、すぐに情報関係の学校に通いはじめる。自分で本を読みながらするという文化がないのである。僕はできるだけ自分で調べながら何でもやる方なので、お金をかけて何かを習うなんていうのは、大嫌いなのである。だから僕のやることは自己流ばかりであるが、それでもなんとかやって来きている。 しかし、最近でこそブラジルでも、いろんな本や雑誌が出て、さらにインターネットも普及してきたが、それはここ最近のことで日本のように、ことこまかなことを書いているハウ・ツーものの本は今でもそれほど多くはない。ましてや、昔は皆無に近かっただろうから、自分で調べながら何かをするという文化はまだまだ育っていないようである。だから、裕福層はお金を出していろんな知識や技術を身につけれるが、貧困層は技術もなにも身につけられない。そんなわけで貧富の差は一向にに狭まらない。ほとんどお金をかけずに簡単にいろんなことが調べられるインターネットなどがもっともっと普及していけば、少しずつその辺の問題も解決していきそうであるが、まだまだ難しそうである。 と、そんなことをニュースを見ながらぼんやり考えていると、 「エイズの検査も大丈夫だったわ、でもヘンなところに行って、病気なんかもって帰らないでね!」 思わぬ反撃を食らってしまった。
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