10・28 性悪オバンの引越し (2007/10/30)
同じ棟の同じ階に住むオバンは、僕がゴミを出しに行く度に、ドアをあけて僕を見張っていた。何か言いたいことがあれば言えばいいのに何もいわずに、僕がちゃんとゴミを捨てたかを確認している。 今まで一度として僕はゴミを散らかして捨てたことが無いのに、この対応は何なのだ! 非常に腹が立つので、僕はその度に何も言わずに彼女を睨み付けているのだが、彼女は一向に気にする様子もない。への字に曲がった口といい、意地悪そうな目つきといい、少々のことではへこたれそうにない性悪女なのだろう。門番などからも嫌われているようで、彼女の話をすると「どうしようもない女だから」という返事が返ってきた。 彼女は僕の動向を見張っているようで、彼女のアパートと廊下でつながっている裏口を開ける度に、覗き穴から見いていた。ドアの隙間から影が見えるので解ってしまう。最初の頃は、彼女の嫌がらせによって、裏口を使うのも億劫になっていたが、あまりに嫌味が過ぎるので、最近はわざと何回もゴミを捨てにいったりしていた。 その性悪オバンの姿がピタリと見えなくなった。どうやら引っ越して行ったようである。喉につっかえていた塊が取れたような爽快感! ヤッタゼ、思わす、つぶやいてしまった。
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