4・18 ブージオス(貝占い)Ⅰ (2008/04/19)
もう、終わりかと思っていた高知新聞の連載が、もう少し続くことになった。2,3日中に書かなければならない。さて何を書こうかと考えているうちに、占い師の友達のお兄さんのことを思い出した。彼は、ブージョス(貝占い)をやっていて、マクンバ(呪い)をかけられているようなこともわかるらしい。最近立て続けに飼っている動植物が死んだのと、彼女がマクンバを感じるなんていうものだから、ずっと気にかかっていたので、取材のついでに見てもらおうという気になったのだ。 もし、できたらできるだけ早くお兄さんにあって取材をさせてもらいたい、との旨の電話をすると、運良くその日の夕方に会えることになった。 何か流れのようなモノを感じながら、ラッシュが始まりかけたメトロに飛び乗った。1度だけ行ったことのある友人の家に、かすかな記憶を辿りながら、バスに乗り換え向う。前回行ったときは数年前のことで、どこで降りるのかよく覚えていない。バスの中は帰宅する人々で一杯である。ふと、すぐ横にいる女性達の話が耳についた。安い給料のこと、生活が苦しいこと、仕事を探していることなどを時には淡々と時には声を荒げてはなしていた。僕が住んでいる所よりも、この辺りはもっと貧しい生活を送っている人々が多いようである。外を見るとかすかに覚えのある建物が見えた。そろそろと思い、ドア付近に人を掻き分けながらいくと、降りる目印であるスーパーが見えた。そのあまりのタイミングの良さに驚いた。 バスを降り、友人に電話を掛け迎えに来てもらった。 「兄はもう来て、あなたを待っているわ」 時刻は6時を過ぎ、もう薄暗い。慌しく人々が帰宅する中を何かに惹かれているように占い師が待っているという彼女に家に向った。
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