5・28 お金持ちの生活 (2008/05/30)
高級アパートに住む知人に写真を届けることになっていたが、ついつい友人宅で話し込み、着いたときには薄暗くなっていた。頑丈そうな鉄柵にあるインターフォンのボタン探していると慇懃な門番の声がした。ここのインターフォンはボタンもないのか、と思いながら「○○号室のYさんはいますか」と聞くと、しばらくして「降りてくる」という。 別に降りてきてもらわなくてもいいのだが、と思いながら、扉が開くのを待っていた。しかし、その頑丈そうな扉は全く開きそうな気配もない。小雨もしとしと降り始めた。普通だったら、住人が僕のことを受け入れているのだから中に通すのだが、それさえもしようとしない。その失礼な対応にだんだん腹が立ってきて、インターフォンで文句を言うおうとした時に、知人降りてきた。ガッチっと鈍い音がして鉄柵の門が開けられた。 「ここの門番は失礼ですね。僕が住人の知人だとわかっても中にいれようともしない」 「ええ、ここの治安管理は厳しいんです。日本学校の校長先生なんかもすんでいたらしいですから」 最近収まったが、一時期高級アパートが次々と襲われ、宝石やお金がごっそりと盗まれる事件が多発したことがあった。そのような犯罪を防ぐためらしいが、今まで、もっと高級なアパートにも行ったが中の住人が受け入れているにもかかわらず、敷地内にもいれようともしないアパートは初めてである。多分門番の質が悪いのではないだろうか。「自分は高級アパートの門番をしているからえらいんだ」というようなバカな勘違いをしているのだろう。よく門番の中にはこの手の奴が多い。もっとも、僕がよっぽど危なそうな人間に見えたのかもしれないが・・・・。 お金持ちに会うためには、いろいろな嫌な思いをしたり、面倒くさい手順を踏まなければならない、ということをこれほど如実に感じたのは初めてである。お金持ちの、制限一杯の生活ははつくづく大変だろうなと同情してしまった。貧乏人はお金がなくて大変だが、裕福な人々は自分たちを守るために結局は不便な生活をしなければならない。お金は生活に困らないぐらいあれば、それでいいな、と心から思う。
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