5.26 無農薬野菜市とブラジル社会 (2013/05/26)
先週から、毎週土曜日にアグア・ブランカ公園で開かれている無農薬野菜の市に、バスで買い出しに行っている。わざわざバスで買い出しにいかなくても、と自分でも思うのだが、小さいころから無農薬野菜で育てられ、農薬がかかった野菜は体に悪いと言われて育った身にはどうしても無農薬野菜が食べたくなる。50を過ぎたおっさんが今更食にこだわってもしょうがないだろうと自分自身も思うが仕方ない。これはもう僕の思想なのだから。息子にも食べさせるのだから、と思いながら、買い出しに行っている。 テニスコートほどの納屋で開かれているこの市には2,30の農家が自ら販売しているせいか、値段も普通市販されているモノとさほど変わらないし、新鮮である。日系の農家が多いので、日本野菜などが売られているのもうれしい。 来ている買い物客も、食に気を付ける人たちだけあって、一見して変な人はない。スーパーで買う無農薬野菜は高すぎて買えないけど此処なら買えるといった感じの中流から下流クラスの知識層が多い感じがする。 入り口ちかくの出店で50レアル札を出した。売り子のブラジル人は2,3分もかけてそのお札を慎重に調べあげた。以前に偽物をつかまされたのか、僕が危なそうな人間に見えたのか・・・・。それにしても、これだけしつこく時間をかけて、お札を調べられたのは数年ぶりのことである。腹立たしく思い、「それほど信用できないのなら、もう買わない」と言いかけたが、ぐっと我慢した。 高知の田舎では、国道沿いなどで、良心市と言う、農家が野菜や果物を売っている所がある。お客は買った分だけのお金を小さな箱にいれるシステムになっている。ブラジル人でこんな市があれば、誰もお金を入れる人はいないだろう。例え、お金を箱に入れる人がいたとしても、その箱自体が持って行かれるだろう。 ブラジルは他人を信用しない、信用できない社会なのだ。騙される方が悪い社会なのだ。そう考えるとお札を調べに調べるのは、当然の行為かもしれない、という気になる。しかし、そんなことを考えていると、本当に無農薬なの? と聞きたくなる。
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