(2004/12/03)
サンパウロの中心地からメトロでわずか四十分ほどのところにかつて「桃の里」と呼ばれたイタケーラ植民地がある。 一九二五年に僅か三十二名の契約者から始まったこの地は、その後、様々な農産物の発祥の地となり、目覚しい発展を遂げるが、一九六〇年代以降、都市化の波とともに農業は次第に勢いを失っていく。都市近郊植民地の宿命ともいえるひとつの歴史のサイクルを既に経験しているのである。 この一つの成熟した植民地の歴史の評価は後世の人々に託すとして、「イタケーラコロニア七十年のあゆみ」という著作を残された方々に敬意を表するとともに、著作を再構成したこのホームページが歴史の風化を防ぐ一助となることを願っている。
こよなくも 愛ほしむなる ブラジルの 広がる緑りを こい願いつつ (吉岡 省「七十年誌発刊にあたり」より)
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