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岡村淳のオフレコ日記
     岡村淳アーカイヴス  (最終更新日 : 2024/02/18)
〈赤木和文ファイル〉から

〈赤木和文ファイル〉から (2023/02/03) 岡村の強力なシンパだった岡山出身の故・赤木和文さんが生前にフェイスブックで岡村について言及した三つの記事を記載順に抜粋しました。
それぞれのページの掲載写真、コメント等も参照できるよう、稿別に文末にリンクのアドレスを添付しました。

2018年5月18日/日本・神戸市
あれからもう2週間も経つんだな。
ブラジルの国花、
イペーが日本でも花咲くのを知った日。
シネマクレールで『港町』を観たあと、
鈍行列車に揺られ一路京都へ。
今も少しずつ読み進めている本、
『忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅』
読んでいるうちにどうしても会いたくなった著者の岡村淳さんに会いに。
その記録された映像を観に。
出会ったのは2つの作品。
『大東亜戦争は日本が勝った!ブラジル最後の勝ち組老人』
『赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み』
側から見れば片や哀れな老人、
片や聖人君子のように思えるかもしれない。
けれどそうじゃない。
たとえ何があろうと、
自らの人生を生きて、生きて
生き抜いた、生き抜いている、
その歩みには等しく価値がある。
岡村さんは同じ尊敬のまなざしでカメラを向けられているように思う。
フィルムを「再生」することは、
「再び生きる」こと。
託された人生、
それが上映される場においてまで
僕が責任を持つ。
そう言える人はそうはいないんじゃないだろうか。
2018年5月1日(火)「ひと・まち交流館 京都」第5会議室
在ブラジル岡村淳監督ドキュメンタリー&トーク
写真はその翌日、初めて見た美しい花と
出会いに感謝する一冊の本。
京都へ赴く前、家を出がけにふと目に留まった大原治雄さんの写真集。
そこに記されていた言葉を
今、改めて思い起こすー
Hoje você vê a flor
Agradeça à semente de ontem
「昨日まかれた種に感謝 今日見る花を咲かせてくれた」
『ブラジルの光、家族の風景ー大原治雄写真集』より。
https://www.facebook.com/kazufumi.akagi/posts/pfbid02FtQ8so2A3X2qXG2JbXducMx2Cg4RpKjq6bca8WExxFpLUL17LX8Jzq3xkr86aztKl


2020年1月20日/東京・古美術&ギャラリー古藤(ふるとう)
「心に叶うものを焼いておしまいにしなさい。
 そうしたら迎えに来るから。」
確かこんなことばだったかな?
2度目なのに
僕はまだまだ聴けていないけど、
延兼さんが敏子さんに最後に残した
自らを死して生かし、大切な人に生きる力を与えることば。
sempre junto、すっと一緒。
そのことばをまた聴きたくて、
そして岡山での上映会の時に
「七人の移民」の中のことばを快く引用させていただいた
星野さんに一言でもお礼を言いたくて、
何より僕自身がそこに居たくて、
迷いながらも参加したおまつり。
案内されたのは
まるで用意していたかのように、
目の前には思い出の江田島上映会のチラシ、
頭上には長島のアーティスト・清志さんのチラシがある、そんな席。
この席に座ることができるということは、
ほんの少しは自分の心の声に耳を澄ますことができているのだろう。
自らの声も聴けなくて、
他の誰かの声に耳を傾けることなんて
できないだろうから。
例え一歩ずつでも、「聴く力」を育んでいきたい。
トークライブでは敏子さんの「生きている器」を目の当たりのする僥倖。
また星野さんに感謝することが増えてしまった(笑)
会場に入る前に置かれていた足ふみマットは、
岡村さんが持参されたものだそう。
僕もケアに携わるはしくれとして、
今はまだ未熟だけど
いつかこんな心遣いができる人間になりたい。
参加して良かったな。
企画ありがとうございました!
ほんのちょっとでも心惹かれる方はぜひ会場へ。
きっと、bem-vindo!ようこそと
あなたのお席も用意されていることと思います‼︎
https://www.facebook.com/kazufumi.akagi/posts/pfbid02ykgmY7YzLn2LPi9eV13r1NAu53JGmb726aw3h65bbReXDZoDwLZufgZ3CLhLA7Ful


2020年6月7日/【7日間ブックカバーチャレンジ】5日目
『忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅』
(岡村淳著/港の人発行)
「どこでもいいから速やかに海外に行って、ナメクジで番組を作ってこい!」
稀代のテレビプロデューサー、
牛山純一氏からのそんな指令から始まった、
ブラジル在住の記録映像作家・岡村さんの旅の記録を収めたこの本とは、
倉敷の蟲文庫さんで出会った。
荒地の上に力強い筆致で書かれた題字。
このカバーを見て
一体どんな本なんだろうと気になっていたところ、
絶妙のタイミングで、
備前出身で現在はブラジルのミナスに移住されているIさんが
この本の紹介と、本に登場する
石井夫妻の暮らしていた土地を訪れたことを
ご自身のFBに投稿して下さった。
その文章に胸を打たれ、
いてもたってもいられず蟲文庫さんに駆けつけ、
本をレジに持参したところ、
「ちょっと待っててください。」と
書庫へと向かわれ、戻って来られた後
「これを。」と差し出されたのは
同じ岡村さんの本。
けれどそこには、
「忘れられない蟲文庫」と記された
岡村さんのサインが。
そんなふうにして手にしたこの本は、
私にとって生きることを根底から
問い直すものであると同時に、
著者の岡村さんはじめ、
たくさんの「自分の時間を生きる」方達との
出会いをもたらしてくれた
大切な、大切な一冊。
最初の作品でナメクジから学んだ、
「存在を丁寧に見つめていくこと、さらには愛をもってお付き合いしていくこと」という姿勢を、
岡村さんはその後も貫かれている。
直近で私が観た岡村さんの記録映像作品は、
『ブラジルのハラボジ』。
その中で、
自らの死期を悟ったハラボジ(韓国語で「おじいさん」)に、
岡村さんが「これからの希望は?」と
問いかけるシーンにハッとした。
あぁ、ケアするってこういうことじゃないのか。
自分にはこんな問いかけができるだろうかと。
今もずっと考えている。
人は、死して生きる。
希望を語るハラボジの顔に浮かんだ、
柔らかな微笑みが忘れられない。
今年の一月、
東京・ギャラリー古藤さんにて開催された
「岡村淳監督ドキュメンタリー上映まつり」で
配布されていた日報の中の岡村さんの文章が
この本にも通じるところがあるなと思うので、
引用させて頂いてこの投稿を結びます。
「ひと通りの取材、資料の撮影を終えてサンパウロのわが家で深夜にひとりで映像の編集作業を続けているときです。アマゾンの移住地で10代半ばにして人生を閉じた少女が遺した、何枚かの白黒写真をみつめます。彼女のいのちの躍動とかがやきが伝わってくるようでした。存命ならば僕より年上の彼女。「わたしがいたことを伝えてね」。そんな言葉が聞こえてくるようでした。
はい。あなたがこの世にいたこと。うつくしく輝いていたことを伝えましょう。」
(『わたしがいたことを、伝えてね』 夢と知りせば/岡村上映会の八日間 日報 第二日目より)
https://www.facebook.com/kazufumi.akagi/posts/pfbid0kJGjV57feFkXd4M6UgXLN3eJ9x3oPGwaL6JuRV9v5wNnUaZXGfFWZ4dLgiG4pKgJl


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