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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2016年の日記  (最終更新日 : 2016/12/01)
2月の日記 総集編 いい正月でーびる

2月の日記 総集編 いい正月でーびる (2016/02/02) 2月1日(月)の記 法華経寺詣で
日本にて


千葉は市川に住まう、映像記録時代の上司のところにご挨拶に伺う。
日蓮宗の大本山、中山法華経寺の近くだ。

およそ30年前の映像記録のスタッフ時代以来、何度となくお邪魔をしている。
しかし情けないことに、いまだにきちんと道を覚えられないのだ。
一帯の道路は迷路のようである。
また上司はともに歩いた時にその度、道順を変えていたためかもしれない。

今回もそこそこ迷い、見覚えのある場所と地番を便りにたどり着く。
この度はじめてこのあたりは船橋市との境界と知る。

古典落語のように、何度となくうかがった話もあれば、今にして初めて聞く話もあり。

サケは控えめにしたが、それでもけっこうな時間まで長居をしてしまった。


2月2日(火)の記 60年目の上京物語
日本にて


本日のタイトル、自画自賛。

上映オフ日を最大限に活かす。

学芸大学経由で新宿へ。
ゴールデン街一番街の「ひしょう」を訪ねる。
アマゾンのオオオニバスババアのブックバー、と口が悪くてすみません。

新宿の女傑のひとり、佐々木美智子さん健在なり。
22年前!にたまたま訪日中の僕が撮影を頼まれた佐々木さんの『新宿発アマゾン行き』出版記念会の映像を、今回かるく編集してDVDに焼いて持参。

見れば見るほどわからないこと、知りたいことがあり、佐々木さんに一緒に見ていただくことにした。
死屍累々。
登場される方々のかなりが亡くなっているという。

極左から極右まで、政治家企業家から放浪の人まで、佐々木さんの人脈は壮大なマンダラだ。
日本を代表する映画撮影監督の姫田真佐久さんが乾杯の音頭を取るような祝祭を、30代だったテレビ屋崩れの岡村が撮影しているというのが、感無量。

録画テープをそのままVHSにダビングしてお渡ししてあったが視聴不能になってしまったそうで、僕のブラジルでの引っ越しの際に「発掘」されたオリジナルテープを編集することになった。

なにかそれらしい口実をつけましょうと佐々木さんにふってみるが、カネはもちろんアイデアもなし。
佐々木さんを聞き書きした快著『新宿、私の解放区』を取り出して検討、「佐々木美智子上京60周年記念」とした。

大アマゾンはマナウスで出会った佐々木さんは、僕にとって親戚の、ちょっとしょうもないおばさん、といった存在だ。
僕の持参したDVD携帯プレイヤーのモニターを見つめる佐々木さんの感動ぶりは生半可ではない。
「撮っといてもらってよかった」と何度となくおっしゃる。

まさしく新宿で、映像記録のありかを教えてもらう。

さらに夜は経堂の雷神詣で、こっちも相当のシャーマン系だ。
閉店前の流浪堂さんにふたたび寄ってから、谷戸前の実家に帰還。


2月3日(水)の記 目黒彫刻の谷
日本にて


今回の学芸大学ライブ上映講座のフライヤを手掛けてくれた、イラストレーターの こうのまきほさんと南仏セミ料理屋で会食。
なぜサボテンか、などの製作秘話をうかがう。

せっかく学大までお越しいただいたので、ひとつでも目黒の魅力をお伝えしたい。
隣り駅祐天寺駅管内の現代彫刻美術館にご案内。
僕のお国自慢の場所だ。

地形的には目黒川と谷戸前川の刻む谷の上にある。
まさしく縄文中期的なトポグラフィー。

もったいなく、申し訳ないぐらい人がいない。
今日も館内の喫茶室でコーヒーをご馳走していただく。
入場無料で、ここまでしていただけるなんて。
http://www.museum-of-sculpture.org/

彫刻入門、彫刻発見に格好のミュージアムだ。
あらたに心に刻み込もう。


2月4日(木)の記 「橋本梧郎先生と私」
日本にて


いよいよ。
今回の訪日の大きな目玉。
神奈川県立荏田高校、現代文の特別授業。
課題図書、夏目漱石の『こころ』にちなんで、「橋本梧郎先生と私」を語る。
2年生の3クラスを予定していたが、直前のカリキュラム変更で、2クラスとなる。
インフルエンザで学級閉鎖の可能性もあったが、それは免れた。

にしても、これだけ事前に講義内容を準備するのも久しぶり。
わが高校時代のトラウマへの挑戦。

登校前に近くの喫茶店でもう一度、講義内容を練ろうと、早めに出家。
と、いくつかの事故が重なり、東急、特に田園都市線のダイヤはガタガタだった。
早く出て、よかった。

いやはや、わが現役時代から約40年。
変わらないこと、変わったこと。
たとえば、学校のなかに缶飲料の自動販売機があったり。

こちらもなにせ勝手がわからず、それなりに緊張。
生徒たちのリアクションがなかなかつかめない。

担当の先生によると、生徒たちは身を乗り出して話に聴き入っていた由。
意外な生徒が真剣にメモを取ったり、質問までしたのに驚いたとのこと。
「こころ」の錬金術師。

僕も直前になって『こころ』の大きなポイントに気づいた。
人は、生きものは、サヴァイヴァルすることで、蹴落としたものたちへのうしろめたさを背負い続けている。

君たちもまもなく選挙権を行使できる、在外邦人も僕にも選挙権がある。
一緒に日本を変えよう。

学校当局、教師ども、クラスメートたちに裏切られ、貶められていた、ひとりぼっちの40年前の僕をハグしてやりたい。


2月5日(金)の記 奥浅草探検
日本にて


奥浅草という言葉を、はじめて知った。

さてさて、明日!沖縄で行なう予定の写真紙芝居の準備。
あらたにデジカメの写真をコンビニで紙焼きせねば。

今日は奥浅草にアジトをかまえたアジアの茶師、佐藤仁一さんと再会の予定。
http://ameblo.jp/laosun/entry-12125463592.html

写真紙芝居の準備に手間取り、予定を遅らせてもらう。

佐藤アジトの場所は、あの吉原の間近。
横浜寿町を思い出した。

銘茶珍茶のおもてなしを受け、話は尽きず、ついつい長居。
流浪堂さんに挨拶に寄ってから帰宅。

時差ボケと、以前からと新たな疲労を背負っている感じ。
さあいったん仮眠してから、明日朝の旅の準備をしようか。


2月6日(土)の記 沖縄突入
日本にて


深夜に起床、未明の出家まで旅の準備。
写真紙芝居の素材がなかなかの量と重さ。
急きょ中型スーツケースに入れ替える。
国内線の許容手荷物も範囲かどうか心配。

荷物を引きずっての東急蒲田から京急蒲田への10分以上の移動は、旅へのミソギか。

荷物は20キロまでオッケーで、安堵。
那覇行きANA便は満席。
個人モニターのついていない飛行機は久しぶり。
なかなかに品のないグループのメンバーの、ひっきりなしの品のない笑い声。
嗚呼、日本の観光。

那覇空港ではさっそく陸上自衛隊、海上自衛隊の格納庫と「軍用機」が視界に入ってくる。
空港内には延々の満開のランの鉢。
米兵らしい若い白人のグループ。
沖縄戦を体験したろう、車椅子のオババ。
沖縄の複雑をさっそくシャワーのように浴びる。

かろうじて押さえたホテルに荷物を預けてから、まずは市場の古本屋、ウララさんへ。
店主の宇田智子さんと再会。
「個人の書斎のような」とはこのお店をよくとらえた表現だが、こちらの嗜好をくすぐって止まない書斎だ。

チェックインの3時を過ぎ、いったん宿に戻って写真紙芝居の細かい構成立て。
ホテルの窓からの光景に驚き、首を垂れる。
ずばり、選んでいた写真とリンクした。

今宵の上映会場、壷屋のSAKATA STUDIO に今回の上映を主宰してくれたチームOJの四女子が揃い、手際よく上映会場を設定。
道具袋を腰に巻いたSTUDIO主の阪田清子さんは相変わらずカッコいい。

多数決での上映作品選びは、「奥アマゾン謎の人面遺跡探検」と「60年目の東京物語」。
司会を引き受けてくれた「くじらブックス」渡慶次さんの配慮ある語りが来場の方々の拙著購入欲をくすぐっていただき、かたじけなし。

ブラジル仲間の、那覇のマルチブラジル雑貨店主の翁長巳酉さん、那覇のひとり出版社「沖縄探見社」の高橋哲朗さんと近くの食堂で締める。

どっぷり沖縄。


2月7日(日)の記 発射情報と上映情報
日本にて


那覇市内、牧志。
突然けたたましい音響。
「発射情報」。
北朝鮮の「ミサイル」が発射されたことを告げる放送だ。
前後の短い音楽は「ワルキューレの騎行」のフレーズかと。

今日は畏友の翁長巳酉さんが、昼からの上映準備前に「すんげえところ」に案内してくれるという。
彼女がそう言うからには、さぞかし。

初乗り500円のタクシーに乗ろうとした時に、この放送だ。
ロケットは沖縄県上空を飛ぶことは確実のようで、重さが違う。

翁長さんが連れて行ってくれたのは、市内にある古墓群。
新しいもので、築200年は経っているという。
翁長さんの一門の墓所でもあるのだ。
アンコール遺跡群、タ・プローム寺院をほうふつさせる。
これは、すごい。

沖縄は、死者の居場所の隙間に生者が住まう感あり。

今日の上映会場は、市場の古本屋ウララさんの階上にあたる。
こんなところにこんなスペースが現われるとは、『2001年宇宙の旅』のルイ王朝風の部屋の出現を思わせる。
なんと、今日の上映がこけら落としとのこと!

2回に分けてもよかったかな、と思うほどの人の入り。
しかも多種多様、質疑応答も尽きず、実に手ごたえがあり、僕の方が勉強になった。

関連スタッフでの打ち上げもまた楽しからずや。
あまりサケの飲めない体になってよかったかも。


2月8日(月)の記 いい正月でーびる
日本にて


今日は、旧暦の元日。
快著『宝の海をまもりたい 沖縄・辺野古』を出版したばかりの畏友、いんやくのりこさんの伝手と運転で、離島の平安座島の旧正月行事に誘っていただいた。
道中、くらくらするほど不思議なことがある。

平安座島は現在「海中道路」と呼ばれる土手道で沖縄本島と陸路でつながっている。
島には石油精製基地があり、離島や僻地の問題の縮図を見るようだ。

本土の神社の社のような拝所の建物での祈願祭のあと、自治会館での宴。
石油関連企業、金融機関の面々の挨拶が続く。
ブラジルの日系移住地での日本の出先機関の面々の挨拶を思い出す。

そのあと、2年前にもご案内いただいた浜比嘉島のシミルチューと呼ばれる聖域をお参り。
旧正月の今日は、鍾乳洞の神域への参拝も許される!

夕方、わが友いんやくりお君と再会。
http://inyakurio.rederio.jp/
2年前には缶カラ三線ひとつでうたいまくっていた理生君、今では僕の理解を超える複雑なメカを軽やかに操作して演奏するではないか!

りお君が演奏中に見せる笑顔に、魂をあらわれる思い。

いい正月でーびる、という沖縄の新年お祝いの言葉を覚えた。


2月9日(火)の記 那覇の平日
日本にて


沖縄最終日。
それにしても、濃ゆいことの連続。
今日はあいさつ回り、買い物ぐらいしか予定を入れないでおいた。

先回はお休みで冷やかせないでいた古本屋の言事堂さんの、移転後のお店を訪ねる。
ゆったりまったり感がたまらない。
せっかく本土から沖縄まで運ばれてきた書籍を大人買いさせてもらう。

カウンターに貼ってあった「太陽のキャンバス ニシムイ」展のポスターが目に入る。
戦乱で荒廃した沖縄で奔走した画家たちの展示の由。

歩いて、県立美術館へ。
一昨年、接写を行なった新都心部へのあの道をふたたび通る。
ふたたび、接写。
なにかが呼ばうか。

美術館で、藤田嗣治も北川民次も沖縄の墓を描いていることにふたたび気づく。
併設された県立博物館の山田真山展がよかった。
琉球政府時代の切手の原画など、息を呑む。
僕には横山大観より、いいぞ。

最後に翁長巳酉さんのPunga Pongaで静岡産の缶ガラナをいただく。
本土並みに夕方のラッシュを心配したが、無事モノレールで那覇空港に到着。
空港の書店にも沖縄本が充実していること。

昼食を食べそこねていた。
空港でフンパツして、気になっていたイカ汁をいただく。
よろしい味だ。
ブラジルでトライしてみよう。

しばしさらば、いとしの島といとしの人たち。


2月10日(水)の記 11連戦の前に
日本にて


今日はシンパの方の個人宅での上映を予定していた。
が、その方がインフルエンザに罹患、取りやめとなった。

少し冷静に今後のスケジュールをみると、なんと明日から11日間連像上映で、うち夜行バスでの移動が三夜!
それぞれの上映の段取りを詰めねば。
特に来週の首都圏での告知が行き届いていないので、テコ入れの要あり。

主催者がフェイスブックで上映を告知している上映会に、ツイッターのみたしなむ人から僕に問い合わせが入る。
ツイッターとフェイスブックのメッセージ機能で3往復ほど僕が取り次ぎ。
こんな用事もあるので、いくら時間があっても足りないまま、11連戦と旅に突入だ。

再上映中の映画『ハッピー・アワー』あたりを観てみたいが、体力的にも時間的にも断念。
日が暮れてから、学芸大学詣で、明日の段取りを詰める。


2月11日(木)の記 太鼓叩きと太鼓持ち
日本にて


今晩のイベントのためにお招きしたパーカッショニストの新川哲弥さんは早朝、東京に到着。

さあ準備がいろいろ。
今晩の撮影の準備。
明日から大阪、京都、舞鶴とまわる上映巡礼の素材、お土産等々の準備。
インターネットでの諸々の作業、連絡。

新川さんと13時に学芸大学駅前にて合流。
民家ダイニングでの昼食、平均律さんで喫茶。
新川さんのこと、知らないことが多く、話は尽きない。

16時に新川さんを流浪堂の二見さんにバトンタッチ、僕はふたたび実家に戻って準備の続き。

新川さん+二見さんの太鼓演奏とワークショップは、いのちに係わる奥深いものだった。
事前に30-40分と聞いていたので60分テープで撮影に臨むが、1時間を軽くオーバー。
ヤマ場の部分でテープチェンジをせざるをえず、撮影者としてはトホホである。

懇親会はドリンク一杯として、新川さんとともに横浜から夜行バスで関西へ。


2月12日(金)の記 浪花の青空
日本にて


4人掛け夜行バスの夜明け。
同行の新川さんは京都で下車せず、梅田まで付き合ってくれた。
まずはモーニングサービスの店を見つける。

新川さんは、民映研でADをしていた時もあるというから、これまた驚き。
目黒の巨人、秋岡芳夫の名前まで出てきて、これまたびっくり。
午前中、アモレイラの保育園のサポートをしてこられたクム・アモーレの大島さんとのアポを取っていたが、新川さんもお引合せ。

大阪で上映がある際、空いた時間があるときは主催の向井さんにオススメの自称をおうかがいすることにしている。
これがまず、ハズレがないのだ。

店主が93歳だという古本屋、青空書房を教えてもらった。
今晩、宿泊予定のカプセルホテルから徒歩圏というのもありがたい。
「おいでやす通り」というのを進んで、右に曲がって…

最近、移転したそうだが、まさしく路地裏。
土足を脱いで上がるのか。
大音量でテレビをつけている店主に向かって、何度か大声で入店許可を求める。

本も、店も、店主もフレンドリーに迎えてくれる。
店主の坂本健一さんは、筒井康隆から譲り受けたという椅子をすすめてくれた。
ぜひ若い古本屋の仲間たちに聴かせたいお話ばかり。

こころがほかほかになり、中崎町のアラビクさんへ。
ブラジル留学中の若い友人が、アラビクのマスターのコーヒーが恋しいとこぼしていたが、実感。
クリームとの相性が絶妙のブレンド。

さあ三津屋商店街の上映会場へ。
今日は会場ではなく、店頭の土間部分で上映の由。
まずは機材を設営。

選んでいただいたのは『40年目のビデオレター』と『青森・六ケ所村のブラジル日系花嫁』。
主催者も来場の皆さんも、よく製作者の意図、今日的意義を汲み取ってくださり、ありがたし。


2月13日(土)の記 大阪→京都→舞鶴
日本にて


梅田のカプセルホテルで目覚め。
カプセル泊も朝食込みだと4000yen以上になり、バカにならない。
Wi-Fi完備というが、電波はイマイチ。
このウエブ日記の更新やグーグル検索ができない。

でれでれと、荷物を引きずって、京の都へ。
地下鉄鞍馬口駅下車のカライモブックスさんは、今回で4度目の訪問。
にもかかわらず、エレベーターを使ったせいか方位感覚が狂い、真逆の鴨川方面に行ってしまう。

今日のカライモさんでの上映も、遠方からも多種多彩な方々がお集まりいただき、うれしい限り。
1歳4か月の乳児が大きなまなこを開いて『あもーる あもれいら イニシエーション』に見入ってくれた。

今晩は舞鶴で明日の上映の前夜祭があるため、後ろ髪を引かれながらカライモブックスさんをあとにする。
舞鶴上映の発起人、阿辻さんの運転で暗い夜道を北上。

上映会場の「いさざ会館」、なんと真冬の日本海側でナメクジに会えた。
予想にたがわず、在来種のフタスジナメクジ。
後記:これは岡村の妄想でした。ナメコロジー研究会の足立主宰に写真を見ていただき、外来種のチャコウラナメクジとご教示いただきました。舞鶴の城跡には在来種にいて欲しい、という願望が膨れ上がっておりました

阿辻さんのお宅で、丑三つ時までキノコ談義。
舞鶴、濃ゆいぞ。


2月14日(日)の記 鶴は舞い降りた
日本にて


泊めていただいたお宅から上映会場まで、歩いて行けるというのがいい。
そもそもお宅の隣に城があるというのがすごい。

上映会場は昨晩の前夜祭に引き続き、木造のいさざ会館。
老若男女、まさしく多種多様な方々にお集まりいただいた。
手前味噌だが、それぞれにそこそこ楽しんでいただいた手応えあり。

事前の主催者との打ち合わせで『ナメクジの空中サーカス』『アマゾンの巨大ダムと野生動物救出』『60年目の東京物語』をチョイス。
「飛び入り」で『イグアスーの滝』も。
絶妙な組み合わせ。

終了後、阿辻さんご夫妻が車で「あやべ温泉」に連れて行ってくださる。
いつまでも使っていられる露天風呂。

元祖肉じゃが、地酒「池雲」をはじめ地元の珍味美味をいただきながら上映スタッフとの談笑、楽しからずや。

21時40分西舞鶴発の夜行バス。
バスターミナルはミニかまぼこ博物館になっている。

こんなにたくさんの人たちに夜行バスを見送っていただけるのは、はじめてではないかな。
舞鶴、濃過ぎ。


2月15日(月)の記 ウルトラ巡礼
日本にて


舞鶴からの夜行バスは、6時台に品川着。
京急のバスターミナルは、けっこう駅から離れているな。

目黒駅で改札を出て、ウルトラマンスタンプラリーが新たに実施されているのを知る。
ふむ、10駅まわると景品がもらえるのか。
まずは目黒駅で「ピッコロ」のスタンプを押す。

今日は大田区蓮沼での上映の前に近くの黒湯温泉でのミソギを考えていた。
が、どんどん予定は押してくる。
夜は雪との予報もあり。

学芸大学経由、蒲田駅下車。
JR蒲田駅でレッドキング(二代目)のスタンプを押す。

蒲田から蓮沼は遠くない
上映会場colorsのなんとも暖かい空気。

今日は主催の石川さんのリクエストで『ササキ農学校の一日』と『赤い大地の仲間たち』を上映。
来場の皆さんからいただいたコメントが、すごかった。
手前味噌だが岡村の作家論、作品論の本質に迫ってくれた。

ありがたし。
あたりは雪にもならず、雨もやんだ。
こころを熱くして実家に戻る。


2月16日(火)の記 顕現の聖母
日本にて


実家でたしなむパソコン作業も、際限なくあり。

夕方、識者は迂回する渋谷で買い物。
JRのウルトラマンスタンプ巡礼をしつつ、西荻窪到着。

APARECIDAで店主のWillieさんと話をするつもりだったが、今日は早くから懐かしい顔が来店してくれた。
久しぶりに上映する『移住四十一年目のビデオレター グアタパラ編』も我ながら不思議な作品、よくぞこさえたものだ。
http://www.100nen.com.br/ja/okajun/000044/20041013000269.cfm

僕の希望通り、ゆったりまったり上映させていただく。
ここでの上映は、お客さんとの距離がもっとも近く、それぞれの方と諸々お話しさせてもらう。
うれしい。


2月17日(水)の記 明瑞再発掘
日本にて


明後日から、ふたたび地方遠征が始まる。
日曜日の水戸での写真紙芝居の準備を着手。
するべき作業は際限なし。

「おちゃあるき」の佐藤仁一さんと喫茶平均律で待ち合わせ。
佐藤さんに上映会の準備も手伝っていただく。

さあ今日の学大ライブ上映は、ブラジルのブの字も出てこない奇作『明瑞発掘』三部作。
DVDにノイズが走り、ひやひや。
ブラジル産のDVDディスクのせい?
来週は伊藤明瑞書術館のある山口の龍昌寺を訪ねるつもりなのも、奇遇。

今日は平日のため、久々に浅野屋さんで懇親会。
ガイジン客まで来ているではないか。

このお店、タバコの禁煙ないし分煙、トイレの男女別がかなえば文句なし。
おじさんおばさん二人で切り盛りしているせいか、ふたりとも疲れが目立ってきた感じ。
こっちも疲れがあるせいか、疲れている人に敏感。


2月18日(木)の記 マカオのアズレージョ
日本にて


お気に入りの店をまわる。
祐天寺のコーヒーcarawayさん。
江古田のソフビ系おもちゃ屋、コスモナイトαさん。
いずれも店主と話が尽きない、ああ時間がもっとあれば。

ふたつはまわりたかったミュージアム、ひとつだけ立ち寄り。
京橋LIXIL GALLERY、マカオのアズレージョ展。
ポルトガル起源のタイルアートが、マカオでいかに展開したかを写真で見せる。
小粒ながら、興味は尽きない。

JR各駅でウルトラマンのスタンプを押し押し、横浜へ。
横浜パラダイス会館ブラジル☆ナイトへ。

今日は予約が異常に少ない、と主催のヅルさんからSOS通信が来ていたが、ちょうどいい密度の人たちが集ってくださる。
『鎌倉の近代美術館の灯を消さないで』『京 サンパウロ トミエ・オオタケ八十路の華』の2本立て。
なによりも、アートのコーディネーターである蔭山ヅルさんに『鎌倉の…』を気に入ってもらえたのがうれしい。

懇親会はお馴染みのブラジリアンゲイバー「アブラカダブラ」。
新たにきれいなおねえさんがカウンターにいらっしゃる。
好きなムキには、やばいぞ。


2月19日(金)の記 京都忌明け
日本にて


さあ今日から一週間、ジャパンレールパスを駆使して列島をまわるぞ。
JRのウルトラマンスタンプラリーも所定の10駅のスタンプを集めた。
今日から一週間、新たなバッジがもらえる由。
朝8時20分に品川駅の景品引換所に行くと、もう品切れ、とのこと。
なんだかいんちき臭い。
ホントにウルトラ好きの今の子供たちがかわいそうだ。

さて、ひかり号で京都へ。
車内安静。
まずは、かつて洋上で出会った知人と会食。
午後から、日本のフマニタス支援者と打ち合わせ。

これまで京都では不本意なことが続いていた。
昨年、京都出身のトミエ・オオタケ先生が亡くなられた頃から流れが変わった感あり。
昨晩、横浜で『京 サンパウロ』を上映しながらそれに気づいた。

打ち合わせ場所の京都ホテルオークラで尺八とピアノの生演奏があり、夜の上映会場入りまで、いい時を過ごせた。

今日の京都上映を企画してくれた、あの太鼓叩きの新川さんは、まだ京都で日が浅い。
集客は厳しいかなと思いきや、どうしてどうして。
理想的な上映ができた。
上映会場の「かぜのね」さんは懇親会にもぴったりで、酒も料理もよろしい。

夜行バスにもぶじ間に合い、やれやれ。


2月20日(土)の記 水戸のみっとも
日本にて


この夜行バスは、やたらに「ぜったいに…しないでください」が多い。
「ぜったいにカーテンを開けないでください」。
「ぜったい」の相場を安倍内閣なみに落としているかと。

東京鍛冶橋着。
山手線で上野へ。
常磐線の特急に間に合った。

駅前のホテルに荷物を預け、歩いて水戸市国際交流センターへ。
おかげさまで、余裕で10時開始の上映講座に間に合った。

講座の参加者のノリもよく、ありがたい。
ユニークなブラジル人、うれしい知人友人も参加してくれて、もろもろに盛り上がる。

夜はおなじみ、にのまえさんでお任せコースをいただく。
手のこんだ料理の数々と、美酒を堪能。

さあ明日はいったん帰京して撮影だ。


2月21日(日)の記 護憲プロレス
日本にて


ジャパンレールパス使用期間だからの、思い切った酔狂。

ネットのつながらなくなった水戸のビジネスホテルで目覚め。
常磐線特急で上野へ。
1年ぶりの東京都美術館、9条美術展。
このなかでパフォーマンスとして行われる、あの拙作『坐る9条 THE MOVIE』の新藤ぶきちさんの真骨頂「平面プロレス」を撮影させていただくことになった。

僕自身、ナマの平面プロレスを拝見するのは、はじめて。
前評判通り、青シートのマットに向かう新藤さんは、別人のようだ。
今回のテーマを僕は「護憲プロレス」と呼ばせていただこう。

これは、すごい。
たかがプロレス、されどプロレス。
プロレスオタクの護憲主義者は、ホンキになればプロレスでその思想と願いを表現し、伝えることができるのだ。
これを撮影して気づかせてもらったことに、感謝。

帰路、茨城は神立でブラジル系の子供たちの学童保育を営む畏友・櫻田博さんを訪ねる。
駅前のナイスな廃墟を、スチール撮り。

さあ今宵の水戸にのまえライブ上映では、写真紙芝居も披露する。
水戸のコンビニで、新たに2枚ほど紙焼き。
宿に付属したお気に入りのカフェ、ミネルヴァさんで最後の準備をするつもりだった。
が、先回に引き続いて今日もライブ演奏があるため臨時休業ではないか。
やむを得ず、宿のフロントで準備。

今日もにのまえさんも、あふれるほどの人が集まってくれた。
カウンターのなかに入れていただき、まずは紙芝居。
上映の2作品は、本意でない部分もあるのだが、どっこい、好意的に受け止めてもらえたようだ。
新しい面白い出会いをいくつもいただく。

最終の特急で帰京。
深夜、パンパンの荷物が二つ。
目黒駅からタクシーをフンパツ。
さあ今度は、山形だ。


2月22日(月)の記 旧暦小正月
日本にて


山形寒河江に向かう。
親戚の件のミッション。

今日は山形の叔父の命日。
異常な暖冬で、雪もほとんど溶けてしまったという。

フローラ寒河江で、懐かしい面々と再会、いたく盛り上がる。
夜は亡叔父の本家筋に招かれる。
今日は「田楽の日」ということで。

コンニャクや餅を焼いて、味噌ダレでいただく。
そうか、今日は旧暦の小正月だ。

僕の卒業論文は、縄文時代の小正月に想いを馳せたものだった。
深夜、何度となく宿のかけ流しの温泉につかる。
ちょっと物足りない露天風呂から夜空を見上げる。
あ、望月。
旧暦の小正月だもの、とうぜん満月だ。

水曜から山口を訪ねる予定だった。
が、先方がインフルエンザで寝込んだ由。
さあ、どうしよう。


2月23日(火)の記 ゴジラの湯
日本にて


溜まり溜まっていたネット作業を、深夜にちびちびと行なう。
明日からのいきなりの九州訪問の打診。

今日はこちらのお寺さんを訪ねての話し合い。

その後、親類と善後策を相談。
僕が明日まで寒河江滞在を延ばすという妙案でいってみよう、という展開に。

午後、いったん宿に戻る。
連泊をフロントに頼む。
値段を聞くと、ネットで予約した昨晩より高いではないか。

いいなりにならず、他をネットであたると宣言、ロビーでノートパソコンを開く。
しばらくしてフロントの女性が「今回だけ昨晩と同じ値段で」と言ってくる。
それには応じず、ネット検索。

そもそも大手予約サイトに、このホテルの昨晩より格安の部屋があるではないか。
それをネットで予約。
複雑怪奇だが、僕には昨晩の部屋よりずっと快適なり。
明日の九州行きのキャンセルを連絡。

親戚のことは面倒でもあるが、この寒河江温泉の湯を気に入っている。
弘法大師ぐらいまでさかのぼるかと思いきや、1954年の湧出という。
映画『ゴジラ』公開の年ではないか。

深夜にひとり浸かり、ゴジラの地響きに耳を澄まそう。
異常な雪なしの寒河江に、雪のかけらが舞ってきた。


2月24日(水)の記 ナスカ・福島
日本にて


一日、滞在を延ばした山形寒河江にて。
親戚のことで、うごく。
おかげさまで、次の段階に進めたようだ。

帰路、まずは北山形駅で下車。
文化スペース「文翔館」の「ナスカの地上絵」展をみる。
山形大学が近年、ペルーのナスカの地上絵の新発見などの成果を上げているのは祖国の報道で知っていた。
それのおさらいの展示。
なぜ、山形大学がナスカ、なのか。
それについては、この展示からは僕にはわからない。

さらに福島は郡山で途中下車。
ブラジルコネクションの知人と再会。
話せば話すほど、意外な共通なことが出てくるではないか。
駅ビルのカフェ、原発問題を話しているのは、どうやら我々だけ。

福島の地方紙2紙を買って、新幹線内で読む。
2紙ともに、フクイチ内に作業員のためのローソンがオープンする、との記事。


2月25日(木)の記 用のない旅
日本にて


秋田に行くか、倉敷に行くか。
盛岡にしよう。

ジャパンレールパス利用最終日。
東京から日帰りできるところで、アートを見よう。
まだ行ったことのない岩手県立美術館にする。

東北新幹線車内では、流浪堂さんで求めた『京都大不満』(嵯峨徳子著)を読みつつ、うとうと。

美術館のある盛岡駅西口方面は、再開発地もいいとこ。
さっそく盛岡名物じゃじゃ麺でも、と思うが、雫石川流域の未開地。
走行車以外にひと気もなければ、食い物屋どころではない。
シベリアをいくデルス・ウザーラの気分だ。

外目はさして面白くもない岩手県立美術館、内部はなかなか。
萬鐵五郎、松本竣介、そしてお目当ての舟越保武!
「原の城」に再会できた。
遠目から不審げに見ている監視員以外、誰もいない。

まわったりしゃがんだり、いろいろな角度からこの像を眺めて、いろいろな発見あり。
原城に行かないとな。

徒歩圏の日帰り温泉「開運の湯」入湯。
さすがにこれが今回の温泉入湯の打ち止めだろう。
駅ビルの蕎麦屋に盛岡三大麺セットというのがある。
冷麺、、じゃじゃ麺、わんこそばのセット。
これでいこう。

べっちょり固まった冷麺。
麺はべちょべちょで、タレは水っぽいじゃじゃ麺。
期待のじゃじゃ麺って、こんなもんか?
わんこそばがいちばんよかった。
名物にうまいものなし、か。

ぐったりと帰路の新幹線で休む。
さあ明日から最後の四日連続上映だ。


2月26日(金)の記 ナメクジ聖地からギアナ高地へ
日本にて


「ナメコロジー研究会」の足立則夫主宰を、わが故郷目黒のナメクジの聖地にご案内することになった。
ベテランのジャーナリストを案内するとあって、緊張。

聖地の前後に回る場所のオプションを提示。
目黒寄生虫会館に行きましょう、ということになった。

オカモノアラガイを鳥に捕食させるための奇計に出る寄生虫、ナメクジを中間宿主とする住血吸虫など、ナメクジオタクの我々にも貴重な学びの場だ。

昼食は、正午前ながら鉄道カレーの店ナイヤガラが満席。
元祖東京風ラーメンを名乗る来来軒とする。
さっぱり系で、なつかしくよろしい。

足立さんを流浪堂に残し、先に鷹番住区の上映会場セッティング。
平日午後の上映というのも、なかなかスリリングなメンバーが集ってくれて面白い。

今月、沖縄で知り合ったばかりの「死生学」の金山秋男先生がいらしてくださる。
懇親会で、求道中の若き魂たちに、ひかりを与えてくださり、これはうれしい限り。
ライブ上映会の醍醐味、ここにあり。

今回の流浪堂主催の学大ライブ上映全4回、おかげさまで成功裏に幕を下ろす。


2月27日(土)の記 鶴見の学習
日本にて


南武線の南のふしぎな駅名の数々に改めて感じ入りながら、横浜市鶴見へ。
一時、鶴見は川崎と勘違いしていたが、横浜市なのだ。

鶴見の国際交流センターは、スタッフも外国人。
上映機材の設定に、ひとひねり要す。

岡村を応援してくれる在鶴見の佐々木さんのご尽力による上映。
鶴見での上映が今回が何回目になるか、お互い即答できないほど。

これまで辛口どころか、ナゾの高みから岡村を糾弾してくるような人が鶴見の上映では何度か現われた。
不本意な病や怪我をえることによって、人はより健康に留意するというもの。
いずれにしろ、アツモノにこりてナマスを吹くことまでしないが、慎重に構える。

今日の献立は佐々木さんのチョイスだが、『坐る9条/815版』『アレイダ・ゲバラの伝言』という、「ただ撮っただけ」「なにがいいたいのか」等々、いくらでも突っ込みどころのある作品なのだ。

ところがどっこい。
佐藤真監督門下の岡本和樹さんに撮影の協力を依頼して、撮るだけでも大変なイベントだったが、今日いらしていただいた方々は、よくぞアレイダさんの話を汲み取っていただいた。
当日の現場にいた人が、今日の上映会場にざっと数えても6人はいるというのもすごい。

あれから5年。
黄金町から駆けつけてくれたアレイダプロジェクトの仕掛け人、伊藤修さんと感慨を共にする。
記録のありかを、再認識する機会。


2月28日(日)の記 どたきゃんサンデー
日本にて


今日は首都圏にお住まいの人が自宅に友人知人を招いて上映会を開きたいとのことで、そのつもりで前後の用件を入れるようにしていた。
ところが先方の都合で、ドタキャンとなったようだ。

今回訪日時、二度目の上映ドタキャン。
通常は、年に一度、あるかないかぐらいだけど。

離日まで秒読みとなり、しておきたいことが溜まっていたので、くじけずに新たなスケジュールを組む。

4月の上映の素材納品を兼ねての下高井戸シネマ訪問を、今日にする。
ついでに気になる2本を鑑賞。

『母と暮らせば』。
山田洋次監督がこうしたテーマにこだわってくれることに、敬意。
役者も脚本も、うまい。
主人公の母親は、カトリック教徒という設定。
山田作品でカトリックといえば『家族』を思い出す。

さて本作の主人公は、カトリックのお祈りを日常的に唱え、ミサにも参列している。
だが息子の亡霊が現われるという異常な事態になっても、聖母マリアや諸聖人、天の父や子、さらに身近なはずの司祭やシスターの存在が皆無だというのは、いかにも不自然に思える。
教義的に問題があるとみられるこうした映画を、日本のカトリック中央協議会はなぜ推薦したのだろう?

『杉原千畝』。
よく映画化をしてくれたとは思うが、主人公にリアリティある人間味を感じさせる描写がなく、偉人ものの絵解きに終わった感じ。

シモタカをあとにして、西武線中落合へ。
妙正寺川畔の「おじさんの家」での「ひなろーる」展に間に合う。
(3月2日から学芸大学「平均律」でも開催の由: http://heikinritsu.dreamlog.jp/archives/5245952.html

レジ用紙のロールを活用という奇抜な雛人形群。
メインは、昨年最後の学大ライブ講座のフライヤを作成してくれた平野繭さんの、和やかできめ細やかな作品群で、壮観。
お値段も手ごろで、数カップル、買わせていただく。
思わぬ作者によるフェルメールびなに、ドギモを抜かれる。
庵主の鶴田陽子さんとの芸術談義がうれしい。

アマゾン帰りの方の佐々木美智子さんのブックバー「ひしょう」にも顔を出し、本日の外回り終了。

ドタキャンとなった本日の上映会のホストからは連絡がないままだが、ご無事をお祈りしています。


2月29日(月)の記 うるうるマンデー
日本にて


出ニッポンは明後日。
残務との戦いだ。

今日は午後から非公開の上映会。
はからずも今日は、明和九年に目黒行人坂の大火の生じた日。
会場はその至近のカトリック教会内。
「ごまかしのきかない」という社会派のキリスト者たちを相手に『赤い大地の仲間たち』を上映。
自分ひとりの責任で作品づくりをするようになってから「ごまかし」といったテクニックは禁じ手にしているつもりで、その点は恐れるに足らず。

懇親会では、キリスト教に関する素朴な疑問を忌憚なくぶつけさせてもらう。

昨日、鶴田陽子さんが勧めてくれた「村上隆の五百羅漢図展」に思い切って行ってみる。
会場の森ミュージアムは月曜も開館、21時30分まで入場OKという日本離れしたナイスさだ。

いやはや、これをみておいてよかった。
製作プロセスを隠さず提示している自信がすごい。
311以降に体を張って対峙した表現者の迫力もうれしい。

知人のライターがぜひ会いたいと執拗にメールをくださるのにほだされて、深夜の六本木でお会いすることに。
とはいえ、先方のチョイスの飲み屋に行き、割り勘という厳しい時局。

帰りはかろうじてまだ東横線もあったが、電車賃を節約して中目黒駅から歩く。
さあ明日に備えよう。


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