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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2018年の日記  (最終更新日 : 2018/12/08)
2月の日記 総集編 崖線上の黙想

2月の日記 総集編 崖線上の黙想 (2018/02/02) 2月1日(木)の記 夏風邪のいたずら
ブラジルにて


子供がひどい風邪。
今日はサンパウロ市内でのやり残しを一気に回るつもりだったが、明日にする。
子供のケアをしつつ、近くでの土産物類買出しに繰り返し出る。

おなじみの菓子類。
薬草各種。

ブラジル国産カリントウを買ってみた。
ほんらいは「かりん糖」が定説とされるように、甘い和菓子であるはずだが…
赤道のかなたで独自進化を遂げてしまった。
オニオン味、ガーリック味、オレガノ味、スパイシー醤油味…
スパイシー醤油とガーリックを買ってみた。

ふむ、悪くはない。
値段もお手頃、ちょいとした話のタネになりそうだし。

夕方の外出の際に、ごっそり購入。

ほう、カリントウの起源は唐菓子とされているようだが、南蛮菓子起源説もあるのか。
ブラジルのスパイシー醤油味かりん糖は、まさしく南蛮菓子だな。


2月2日(金)の記 美しい黒
ブラジルにて


やり残しの手続き、頼まれものの買い出し、気になるアート展の見残しを一気に回る。
フライトは月曜の午前中なので、今日が最後の平日だ。
なにか、こぼしていることがないかと不安。

楽器の頼まれものを探しに、ダウンタウンの有名店へ。
かなり相当ヤバい一画である。
見返りなど期待もせず、ただ頼まれたことを真に受けて動いているのだが、ここで襲われたら、すべてこっち持ちか。
まあ、面白そうなものが買えたけど、なにせ門外漢。

州立美術館をのぞいてみる。
まずは旧駅舎・政治犯収容所を改築した方へ。
こっちはタダだったか。
アート系のビデオがいくつか流されているが、気忙しい身には見る気も起らない。
上階をすべて使って、Rodrigo Andrade という僕より若いブラジル人のアーチストの展示が行なわれている。
特にぴんとこないが、ひと通り歩いてみる。
奥の部屋を見て驚いた。

今世紀になってからの彼の作品だ。
巨大な画面が黒で覆われた作品が並ぶ。
黒絵具を塗りたくって厚い層をつくり、それを削って立体感を出したり、下に塗られた色を露出させたりしている。
夜の街などを描いた作品だ。
色気のある、艶のある黒である。
黒を美しく表現できることのすごさを感じる。
これを見た後で、彼のこれまでの作品を見直すと、この黒の世界に行きつく萌芽が看取できる思い。
いやはや、アーチストについては一時期のをちょいと見ただけでは語れないな。

本館の方では、アマゾンのベロモンテダム建築を告発するアート展が気になっていた。
いずれ水没する森の写真類ぐらいだが、これだけ見せられたらなんだかよくわからない感じ。

地下鉄を乗り継いで、もうひとつ気になっていたアート展へ。
ずばりAGUA、水をテーマにした世界中のアーチストの作品展。
日本から戻る頃には終わっているので、少し無理をしても見ておきたかった。
これは、拍子抜け。
ここは小中学生ぐらいが授業で見学にくる施設だ。
展示の方はアーチストとキュレーターが、勝手にやっているという感あり。
こっちが生徒になったつもりで、この展示を見せられて水問題について考えろと言われても困るな。

まだ買い漏らしのものがあるが、明日に回すか。


2月3日(土)の記 空白の一日

この日記の総集編作成時に、ぽこっとこの一日が欠けていることに気づく。
少なくとも気づいたのは、ウエブ日記開始以来これが初めてだ。
この日から100日ほど経ち、しかも訪日中で当時のメモ帳が手元にない。
さすがに何も思い出せず・・・
あ、亡母の誕生日か。


2月4日(日)の記 香港ずし
ブラジルにて


あっという間に訪日前日となってしまった。
昼食はわが団地から眼と鼻の先にできた食堂に行ってみることにする。
日曜の昼だが、家族4人が揃った。

昼食専門の、バイキング形式で重量で値段の決まるシステム。
店の名は、TAN。
先日、下見をしたが、スシ系が中心で経営はチャイニーズとみていた。

非日系ブラジル人がつくるスシよりは気が利いている。
基本的にサーモン使用で、握りや巻物を衣をつけて揚げたものもある。
クリームチーズやマヨネーズも多用。
ミニサイズの手巻き寿司も面白い。
アルコールはバドワイザーしかないのが残念。

開店当時は気の毒なほど客がいなかったが、数週間のうちにそこそこ入るようになったようだ。

支払いを済ませて、大陸の中国人か、台湾人かと聞いてみた。
香港だという。
ブラジルで香港人というのは、あまり会った記憶がない。

次回は、TANはどんな字か聞いてみよう。


2月5日(月)の記
ブラジル→メキシコ


早朝5時起き、6時出家。
出発時間の3時間前に、サンパウロ国際空港第2ターミナルのメキシコ航空のカウンターの列に着く。
事前の座席予約ができず、もう通路側はないという。

搭乗予定時間が過ぎてから、ようやく乗務員らが現われる。
さすがブラジルと並ぶラテンの大国だ。
機内は、満席。
客室乗務員の態度は、アメリカの航空会社よりいいかも。

メキシコシティの空港のついてからの出国審査までの混乱混沌。
1時間半はゆうにかかる。
ブラジルよりはるかに劣るではないかと憤る。

が、今日はメキシコの国民の祝日で、通常よりはるかに到着客が多いとのこと。
税関の荷物審査の後、出口に向かう前にトランジットに誘導される。
外に出れないのは面白くはないが、安心ではある。
さあ、8時間近くある。
出発ロビー階にあるメキシコ料理&バーの店へ。

メキシコ国産ビール、タコス、マルガリーダ。
中途ハンパな時間で僕以外にタコスを食べる客もおらず、地元風食べ方の勝手がわからない。
無難にナイフとフォーク、少々手づかみ。

メキシコ…
ペキンパーやブニュエルの映画を想い出す。
ペキンパーの映画のメキシコに親しんだ頃は、まさか自分がブラジル移民となって祖国に向かう途中にこの国に立ち寄ることがあるとは想像もできなかった。

想えば遠くに来たもんだ。


2月6日(火)の記 至高の機内映画
メキシコ→


メキシコから日本への乗り継ぎ便は、日付が変わってから離陸。
今度は3分の1程度の乗客。
ひとりで3人掛け席を独占というぜいたく。

サンパウロからも含めて機内映画を堪能させてもらった。
主だったものを書きあげると…

『アメリカン・メイド』。
トム・クルーズ主演の実録アクション大作だが、日本ではまだ公開されていないようだ。
麻薬などの担ぎ屋をやるパイロットをCIAがリクルートして、中米への謀略に用いるというお話。
かつて満州などで人体実験や細菌兵器使用など、人類史上に残る犯罪を展開した日本の731部隊の首脳たちを戦後、アメリカが無罪にして活用した「故事」をほうふつさせる。
そんなアメリカへの忖度からの未公開だろうか。
これが実話に基づくというすごさと、アメリカと中米諸国との闇の関係が概観できて面白い。

『ダンケルク』。
ああ、いまよくぞこうして戦争を描いてくれた。
戦争に巻き込まれた小さな個々人が、どれだけ異常な目にあわされるかをよく描いている。
今こそみられるべき映画だ。

『IT/イット』。
ああ、スティーブン・キング。
僕は小説より彼を原作とする映画の方を多く見ているな。
それらのキングらしさが、てんこ盛りの面白さ。
「みんなといて、負け犬って感じたことなかった」。
そんなセリフを書き出す。

そして驚きかつ喜びが英題『Anarchist from Colony』、韓国での原題『朴烈』。
日本の関東大震災のあとの朝鮮人虐殺を正当化するために、日本政府は朝鮮人の朴烈とその愛人、金子文子を皇太子(のちの昭和天皇)暗殺計画を企てたとして検挙して、死刑に追い込もうとする。
現在の日本のグロテスクな状況とオーバーラップ。
日本でこそ知られ、大いに見られるべき映画だ。

この映画を観ることができただけでも、今回の僕の旅は報われた思い。
そしてこの映画は拙作『ブラジルのハラボジ』と表裏をなすことを感ず。

追記:訪日後、日本の友人から『アメリカン・メイド』は『バリー・シール/アメリカをはめた男』というタイトルで昨年、日本でも公開されていたことを教えていただきました。


2月7日(水)の記 とおくに富士
→日本


午前6時台、日の出直前の成田に到着。
房総半島上空のイニシエーション。
機内アナウンスによると、成田の気温は零下3度。

シャトルバスで、まず渋谷へ向かう。
春まだきの里山、枯れ田が拡がる。
おお、左前方に霊峰富士が小さく出現。
さほど寒さを実感しないまま祐天寺裏の実家へ。

まずは、こうのまきほさんに描きおろしていただいた今回の学大ライブ上映のフライヤのPDF版を納めたUSBスティックを持って、近くのコンビニにて紙焼き。
学芸大学の格安コピースポットでカラーコピー増刷。
流浪堂さんにご挨拶、納品。

夜はさっそく、若い友人夫妻と目黒にて会食。
話は尽きない。
おかげさまで、出発前に日本の人と生じた数年に一度レベルの不快事件を、だいぶ中和できた。


2月8日(木)の記 崖線上の黙想
日本にて


ジグソーパズルみたいだ。
訪日中、上映などのない日には格好のイベントなどのピースがはまる。

今日は、日帰り黙想会に。
ちょっとびびりがちだったカトリックの黙想会というものに、はじめて、そして祖国で行ってみる。

世田谷の上野毛にある男子カルメル会の聖テレジア修道院にて。
勝手がわからない時は、積極的に聞いてみないと、と正直ひっこみ込み思案の自分を鼓舞。

神父さんは聖書の小さな言葉を読み解いて、キリスト教そしてユダヤ教に至る本質に迫り、それを現在のわれわれ、そして私の問題として問いかける。
終了後の茶話会でも耳より、そして驚きの話を聞けた。

修道会の手前に上野毛自然公園というのがあった。
なんといわゆる国分寺崖線の上から下にまたがる斜面をカバーした自然公園だ。
おりて、のぼる。
まさしく黙想にふさわしい場所だ。

次の目的地の学芸大学まで、目黒通りの源流地から歩いてみるか。
ふう、1時間半近く。
楽しい道のりだった。

喫茶平均律さんにご挨拶。
店主のえりささんにご紹介いただいた若い彫刻家を、流浪堂さんにご案内。
あ、木曜は休みだった。
SUNNY BOY BOOKSさんへ。
新たな展示の準備中だったが、店主の高橋さんがこころよく迎えてくれた。

帰宅後、今日の黙想会のメモを振り返る。


2月9日(金)の記 『波の盆』前史
日本にて


さあ今日は朝から学芸大学→横浜→三軒茶屋と、計4件の所用でまわる。
メインは、横浜の放送ライブラリーでの『波の盆』視聴。

まずはエレベーターに乗って、ぎょっとした。
このニオイ。
長らく入浴をせず、衣類を替えていない人の発する強烈なあのニオイ。

以前、日本で呼び出された女性から長時間、このニオイをかがされたことがある。
そのためエレベーターに同乗した女性を疑ってしまった。
通常は路上で暮らす男性から漂うことが多いと思う。
こうした記載を差別と思う方がいたら、まずこのニオイを間近に、そして嗅覚がマヒするぐらいの長時間にわたって嗅いでいただきたい。

ここでは無料で、個人ブースにて日本のテレビ放送番組のなかからライブラリーとして保存されているものを鑑賞できる。
この付近で入浴や着替えのむずかしい人たちが少なからず、ここを利用していることがニオイでわかる。
遠方からの研究者、外国人の使用もある貴重なライブラリーなだけに、なにか「三方よし」系の対策をしてもらいたいものだ。

なんだか、疲れてしまった。
手ぬぐいで鼻と口を覆って観賞した『波の盆』のことは、改めて書こうか。

このあとで、歩いて横浜若葉町の横浜パラダイス会館まで行った。
館長の蔭山ヅルさんは付近のホームレスの人たちの生態に造詣が深く、教わることが多かった。
この人たちは夏場より冬場の方がかえって臭うのだという。
興味のある人は、パラダイス会館を訪ねて聞いてみよう。


2月10日(土)の記 半減期か発酵か
日本にて


さあ、いよいよ学芸大学ライブ上映の皮切り。
その前に、親しくメールを交し合ったものの初めての人と流浪堂さんで待ち合わせ。
平均律さんでカフェ。
この人から『波の盆』の存在を教えてもらった。
訪日直後にツイッターとフェイスブックで紹介した、あの女性の絵の作者でもある。

せっかくの出会いだが、今日の上映の準備で気もそぞろ。
なにせ、なにかひとつ間違ったらアウトである。

北関東から来てくれた友が、会場設営を手伝ってくれる。
今日の上映は問題作『リオ フクシマ』。

愛と美の伝道者を求道する僕にとっては、見返すのがつらいシーンが多い。
しかし最新作『リオ フクシマ 2』に向かうために避けて通れない。

おかげさまで、程よい以上の人の入りをいただく。
作品のほうも、僕自身、意外とスムースに見れた。

能登半島の伝統料理に、猛毒のフグをかなりの歳月をかけて解毒して珍味としていただくのがあると聞く。
撮影から6年、作品完成から5年。
毒素のうち、核種によっては半減期により、そして発酵作用も生じたか。

さあ交響曲第9番、第4楽章へ向かわん。
明日は早朝、祐天寺を出家、友らの待つ水府へと向かう。


2月11日(日)の記 水戸のシルバースター
日本にて


早朝より目黒経由、鈍行列車で水戸に向かう。

先日「PTA系」から僕の言語感覚に対する著しいクレームを被り、情けない思いをしていて、筆も重くなるが…
水戸ではかねてから懸念の場所に、水戸岡村会会長自らが引率してくださる。
さすがにカトリック教会での上映の直後には行きにくい場所だ。
念願かなって、爽快なり。

夕方から蕎麦処にのまえさんでの出前上映。
今日はライブ上映初公開の2作品など、短めの3作品。
はじめての方々、東京方面からの複数の参加者も迎えて常連さんたちとともに盛り上がり続ける。

にのまえで
  もりそばすすって
        もりあがり


2月12日(月)の記 笠間と俺
日本にて


にのまえさんのカウンターでお手製朝食をいただくという至福。
ほかほかおでんも出てきて、「イッパイやりたくなる」とつぶやくと、すっと御神酒が出てきた。
恐縮の至福。

今日は有志で植物園見学でも、という話だった。
人数も増え、せっかくだから笠間まで行ってみようということになった。
笠間は、学生時代以来かと。

にのまえの眞家マスターの絶妙な講釈をいただき、湯呑系を思い切って数点購入。
世界平和記念の碑、座頭市発祥の碑、坂本九ちゃん疎開の家など、思わぬ社会科の勉強もできる。

帰路、神立の櫻田学校の櫻田さんご夫妻と土浦にて会食。
失った友の斬り口を、他の大切な友たちが癒してくれる。


2月13日(火)の記
『リオ フクシマ 2』燻蒸

日本にて


チェーンスモーカーという言葉を教えてもらった。

アマゾン帰りの佐々木美智子さんが新宿ゴールデン街で経営するブックバー「ひしょう」の3階屋根裏シアターをお借りして『リオ フクシマ 2』の完成試写会にこぎつける。
主人公の坂田昌子さん、イメージ画をお願いするイラストレーターのこうの まきほさんらにお集まりいただく。
特に問題もなく楽しんでいただけたようだ。
それにしても坂田さん、そして高校時代の意外なお友だちの喫煙ぶりが見事なほど。

鼻腔から下着まで、何重にも燻蒸していただいた。
拙作自体も燻蒸かつ防菌コーティングしていただいた思い。

日本は寒いでしょ?
と聞かれると、
煙いです、
と答えるようになった。


2月14日(水)の記 感動的まずさ
日本にて


朝から、外回り。
まずは下高井戸シネマさんに4月の上映素材を届けがてら、一本観賞。
さあ、昼飯をどうしよう。
これから銀座だ。
下高井戸駅近辺を歩いてみるが、安い値段が第一、そして嗜好の点で手ごろなランチがない。
さあどうしよう。
駅ビルの牛丼チェーン店に「黒カレー」についで「白カレー」登場、とある。
これはどんなものか気になっていた。
値段は350円と安い。

白カレーをオーダー。
これが、まずい、の一言。
うどん粉溶かして適当に味をつけただけ、といったところ。
具は皆無。
格安フライトのエコノミークラスの朝食に、これほどでもないが、まずいうどん粉とろみ料理が出たことがあったっけ。
仮にも老舗の牛丼チェーンで、このまずさとは。
あまりのまずさに黒の方も食べてみたくなる。

銀座はギャラリーを2件、まわる。
裏通りを歩いてみると、けっこう1000円も出せば料亭でそこそこの定食が食べられるではないか。
1000円を切るところもあり。
残念、

実家に戻って山積みの残務雑務にかかる。
夜、あたふたと横浜駅からの夜行バスで京の都を目指す。


2月15日(木)の記 オレの京の旅
日本にて


夜行バスは午前5時台に京都駅八条口着。
さあ、どうやって時間を消化しよう。

荷物を引きずり駅の方へ向かうと、ほどなくネットカフェが見える。
これかな。
入会登録をして3時間コースで。
いやはや、この寒空にこれはありがたい。
あったかいドリンク、冷たいドリンクをいただきながら。
滞っていたネット作業に着手。
ウエブ日記のアップや、あちこちへの返信等々。
あっという間に3時間。
使用者には若い外国人観光客も多いとみた。
まさしく京都のお助けスポットだな。

3時間後、京都タワー地下の大浴場に向かいつつ、モーニングサービスの喫茶店を探す。
チェーン店ははずして。
格好の町の喫茶店を発見。
作業員風の客らのタバコがけむい。
それらが出てから老マスターと会話。
京都弁のヒアリング、なかなか容易ではない。
店を出てから「ポコ」という店名と知る。
次回は店名の由来を聞いてみよう。

夜行バスの観光客もはけた大浴場へ。
最低限の設備だが、夜旅の汗、受動喫煙被害を落とすには格好。
今後の水戸でのプロジェクトについて然るべき考えも浮かぶ。

未明のネカフェで明日の上映会場近くの京都最古の映画館、本町館のプログラムをチェックしておいた。
なんと山崎邦紀さん脚本の映画が今日までかかっているではないか。
山崎さんとは横浜パラダイス会館で出会い、拙作を何本も見ていただいて暖かくも鋭いコメントをいただいている。
僕の方はこれまで山崎さんの監督、脚本作品を拝見する機会がなかったのだ。

階下はデイサービス、会場は成人映画館という絶妙な建物。
水戸銀星劇場のようなヤバさも喫煙者もない。
山崎さん脚本、浜野佐知監督作品の手堅い面白さ。
併映の佐々木浩久監督作品は尋常ではなかった。
スコセッシ監督『沈黙』へのオマージュ兼パロディか?

さあ今日の上映会場へ向かおう。
叡山電車というのに乗るのは初めてだと思う。
一乗寺駅下車。
上映会場の喫茶「ウッドノート」を探す。
初対面のマスターとさっそく粘菌談義。

上映準備開始時間まで、何人もの友人知人にすすめられていた恵文社に行ってみる。
なんと阿部海太さんの原画展を開催中。
阿部さんとは東京の SUNNY BOY BOOKS さんで出会い、僕の上映にも来てうれしいコメントをいただいている。
堪能。
文具類も見て、さああとの時間をどうしようかと思って外に出ると、僕の見た恵文社はまだほんの一画だとわかる。
これは楽しい本屋さんだ。

京都3日間の上映の立役者、番匠さんがプロジェクターとシーツを担いでウッドノートに登場。
山小屋スタイルのお店の味を活かした上映となる。
初日をぶじ消化。


2月16日(金)の記 京都我流
日本にて


スタッフがほとんどフランス人のパン屋さんで、出勤前の京の友人とカフェ。
今日は寺町通りのギャラリーヒルゲートでの貝原浩展を見るつもり。
開廊は12時、さあそれまでどうしよう。
付近のカフェは、いずれも荷物を持っての入店がはばかれるほど観光客系で混雑している。
少し通りをはずして歩いてみると…
老舗っぽい街の喫茶店を発見。
悠々と座ってモーニングサービスをいただく。

残り時間は、ほとんど思い出せない中学の修学旅行にちなんで新京極あたりをあるく。
いわゆる当たり前のお土産屋はほとんどなくなった。
貝原浩さんの作品、実物の迫力。
鉛筆画の気迫が強烈だが、思えばこれらが掲載されていた雑誌『ダカーポ』に親しんでいた。

さあ今日の昼食をどうしよう。
地下街でおばんざい食べ放題、税別1000yen未満のお店発見。
カラダが切り干し大根やひじきの煮つけといったおばんざいを求めている。
友人か親戚の御宅を訪ねる思いでカライモブックスさんへ。
奥田さん一家に温かく迎えていただく。
それにしても奥田さんは本をよく読んでいる。
貝原浩展の話をすると貝原さん追悼の本が出てくる。
津島佑子さんの話をすると彼も大好きだという。

さてさて今宵の上映会場・本町エスコーラさんへ。
つくづく面白い場所だ。
昨年よりバージョンアップした手作り会場で準備。
スタッフの皆さんはいずれも偉ぶらない求道者で、やりやすい。
今回も一期一会のすばらしい上映と寄り合いができた。

帰路を同じくするメンバーで、崇仁地区の仮設飲食街でイッパイ。
これがまたよろし。


2月17日(土)の記 京都大団円
日本にて


さあ京都の最終日。
午後からの立命館大学上映まで、なにをしようか。
昨日、カライモブックスさんに向かう途中でポスターが目についた。
「織部はキリシタンか? キリシタンと茶の湯」展、古田織部美術館にて。
昨日の喫茶店で見た新聞で、今日から京都文化博物館でターナー展が開催とも知る。
うーん、どっちかひとつとなると。
ターナーは東京、郡山もまわるようだ。

キリシタンにしよう。
たどり着いたのは、ビルの地下にあるこじんまりとした美術館。
鮮やかな十字、イエズス会の紋章を思わせる装飾のある茶碗類などヴィジュアルに面白い。
ほう、これまで切支丹灯籠といわれていたものは、近年の研究ではキリシタンとの関係は否定されているのか。
学生時代、これを調べたことがあった。

さてさて立命館大学での上映だ。
外は、吹雪。
ふぶきの岡村上映、風吹ジュンだ。

いろいろ行事が重なっているようだが、想像以上の方々が集まってくれた。
しかもモチヴェーション、ヴォルテージが高い方々が多い。
質疑応答も手ごたえあり。

2本目の『40年目のビデオレター』をこれほど深く味わってもらえた上映会は他にあったかな。
屈辱の上映はすぐに思い出すが。

え、こんなに?と思うほど懇親会には一期一会のメンバーが集ってくれる。
中華料理屋の座敷の大テーブル二つにぎゅーぎゅー。
よきかな、わが意を得たりの懇親。

僕は夜バスに乗るので、名ごりは尽きないがそこそこにおいとま。
外は、ふたたび吹雪。
なごり吹雪か。
今回の京都上映の立役者の番匠さんにバス停まで送っていただく。


2月18日(日)の記 今日の東京画
日本にて


夜行バスで未明の鍛治橋に到着。
東京駅に行くか、銀座駅に行くか。
銀座にして、日比谷線に乗る。

いったん目黒の実家に戻って、さっそく洗濯。
さあ今日はスケジュールいっぱいだ。

午前中、小学生の身内と めぐろ歴史資料館へ。
近くで昼食、またいったん実家へ。

荷物を仕切り直してまずは上野毛へ。
吉川まみさんの「エコロジカルな回心と総合的なエコロジー」という講話を拝聴。
時間調整にカフェでもと思うが、上野毛駅近辺には異常なほど喫茶店が見当たらない。
二子玉川駅まで歩いてしまう。
カルメル修道会の下を流れる川がマルコ(丸子)川というのも一興。

さてさて西荻窪の聖地APARECIDAへ。
そもそも京都いらいの疲れも抜けず、明日以降の諸々の段取りもあり、取り乱しがち。
今宵の上映素材を荷物に入れ漏らしたかとあせるが、入店後さっそくデッキの上に袋ごと置いていた。
最優先最重要のことを怠った自分のおごりを反省。

『ばら ばら の ゆめ』を上映、木村浩介さんを再生。
来店の皆さんと手ごたえのある対話。
お店のフェイジョアーダがさらに美味しくなった。

有志たちと河岸を変えて飲むが、そこでもブラジルがらみの不思議な話を聞いてしまう。
神よ、私になにをお望みですか。
ふたたびAPARECIDAさんに戻って密談。


2月19日(月)の記 伊豆大島入島
日本にて


さあ忘れ物はないかな。
ビデオ機材持参だ。
東京湾竹芝港にて、ガウジイこと伊藤修さんと待ち合わせ。
特別価格のジェット船にて伊豆大島2泊の予定。

伊藤さんは公私共に相当厳しい状況で、船内でうかがう話にこちらは言葉がつまる。
けっこう質素倹約のつもりの僕でも驚く倹約路線で伊豆大島でも過ごすことになった。
元町港入港後、まず近くのスーパーで買出し。

桑島隊長のお掃除隊が来たばかりで、富士見観音堂境内はガーデンプレイスといった感じのさっぱりぶり。
一服後、伊藤さんは観音像と五輪塔の前で読経。
カメラを向けると、話す、話す。

伊藤さんはアルコールをたしなまない。
僕のおごりのコカコーラの1.5Lボトル。
僕は御神火焼酎を島のスーパーで求めた伊江島産の各種清涼飲料で割っていただく。

伊藤さんはこの観音堂とご自身の今後を熟考されて、新たな大きな一歩を踏み出される決意のようだ。
昨年の今頃か、伊藤さんにプチぎれしたのは、はるかなことのよう。

いまさらながら、他人様の人生の進路を変えるドキュメンタリーをつくってしまったことを反省、いやさ反芻。


2月20日(火)の記 伊豆大島入湯
ブラジルにて


伊豆大島富士見観音堂、冬の朝。
伊藤修さんは全身が痛いという。
今日は早めに元町にある温泉に向かうことにする。
入湯前に、最も地元色の濃さそうな食堂に入り、くさや定食をいただく。
会話を交わすうちに女将さんに気にいられたようで、彼女の描いた画帳を見せていただく。
身近な花の絵だが、ストレートな味わいがいい。

伊藤さんは入湯もそこそこに、大広間で涅槃爆睡。
ここはwi-fiがつながるので、僕も横になってスマホでいくつか急ぎの連絡をたしなむ。
さあ僕はもう一度、入湯。
陽も傾いてきたので、伊藤さんを起こす。

観音堂に戻ると伊藤さんはジャンパー姿のまま布団にもぐりこむ。
風邪のひき始めかも、とのこと。
もう一枚、掛布団を伊藤さんに被せる。
このまま永眠されるのでは、と一抹の不安。

今晩は受動喫煙を免れることができそうで、ありがたくもある。
ひとりで御神火焼酎の残りを伊江島のカラー炭酸飲料各色で割っていただく。
僕も読書もそこそこに横になり、消灯。


2月21日(水)の記 風次第
日本にて


歯を磨こうとして、洗面用具一式を元町の温泉に忘れてきてしまったことに気づく。
昨年、買ったばかりの電気シェーバーも。

今日、元町港に着いたら温泉に走るか。
伊豆大島では毎日、天候によって船の出入港が変わる。
以前は島内放送での知らせがこの観音堂まで聞こえたのだが、放送そのものがなくなったのだろうか。
午前8時からの電話による音声案内にかけてみる。
え、岡田港!
バスの時刻表を繰る。
いますぐ北の山のバス停まで下ってまずは元町港に行き、30分後の岡田港行きのバスに乗れば船にも間に合う。

さて肝心の伊藤さんは激睡によってだいぶ快方に向かったようだ。
岡田港での再会を期して、押っ取り刀で観音堂を去る。
電話での確認を省いて浜の湯さんに直行。
女性スタッフが調べてくれて…
あった。
なんだか伊豆大島への好感度が一気にアップ。

岡田港には、椿ガーデンからのバスで来る伊藤さんより先に到着。


2月22日(木)の記 雅叙園フォロー・ミー
日本にて


日本に留学に来ている妻方の親類と目黒駅で待ち合わせ。
降り注いでいた雪まじりの雨を日本語でなんというか聞かれる。
みぞれ、だろうか。

彼女は、ナニジン?と聞かれると、相手がナニジンか、そして聞かれている文脈に沿って答えるという複雑かつ稀有な歩みをしている。
頭のなかで何語で考えるかもその時によって、夢もシチュエーションや登場人物によって何語か異なるという。

彼女の出生前、出生にまつわる話などを興味深く聞いてくれる。
不肖の僕はなにということもできないが、エールを送り続けたい。


2月23日(金)の記 玉之内満雄というよろこび
日本にて


埼玉の、久喜駅のさらに西の花崎駅まで。
先回訪日時に、目黒区美術館だったろうか、『玉之内満雄展』のチラシに目を奪われた。
場所はサトエ記念21世紀美術館。
駅からほとんど案内はなく、いちおう地図を見ておいたのだがややこしい。
道を聞けるような店も通行人もまれだ。
ようやく公園をいくウオーキングの男性をみつけて呼び止めて、軌道修正をしてもらう。

屋外にロダン等々が並び、館内には舟越保武、佐藤忠良の作品群。
舟越さんの『原の城』の頭部があった。

玉之内満雄は、没後20年。
埼玉出身で、公立の学校の教員を務めていたが、画業に専心するため39歳で辞職。
まずはフランスに1年半、滞在。
枯れかかったヒマワリの束、堀に浮かぶフランスの古城などを好んで描き続けた。
特に晩年の作品群は、息を呑む。
自らの住まいらしい空間に枯れかかったヒマワリの束などが置かれ、壁には絵入りのアズレージョ、浮世絵、クリムトの絵、自作の古城の絵などが掲げられて、半ば開きかかったガラス窓から外景に堀のある古城を望む、といった複雑そのものの構図の描き込み。
表現者は手を抜いてはいけない、自らに困難を課しつづけなければならない、と我が身を戒めてもらう思い。

次の予定がなければ、閉館まで出てこれなかったかもしれない。
もうほかの美術館は見たくない、という満腹感。

3月11日まで。
http://www.satoe-museum.or.jp/exhibition/index.html


2月24日(土)の記 ピンクナイトヨコハマ
日本にて


上野で開催中の南方熊楠展を見に行けそうなのは、今日のみ。
そのつもりだったが、いまひとつエンジンがかかりにくい。
と、銀座のLIXILからの案内状が目に留まり、タパとフェルト展が今日までと知る。
夕方から横浜で上映なので、両方はむずかしい。
タパとフェルトにしよう。

こじんまりとした展示。
だが、布のあり方は糸の織物だけではなく多様であることに覚醒させてもらった。

さあ、横浜パラダイス会館で『ブラジルのハラボジ』。
常連さんから、なつかしいお顔、ニューフェイスの方々までの一期一会のメンバー。
場の空気が塩麹のようになめらかで、やりやすい。
どう仕切るか祭司の手腕が問われる。
この地味な作品が、各所でこれほど好意的に受け止めていただけることに感無量。


2月25日(日)の記 KOJO再生
日本にて


『KOJO ある考古学者の死と生』。
東京では久しぶりの上映で、最後はどこだったか思い出せないほど。
3時間半近い長尺。
主催していただく流浪堂さんに、午後と夜の2回分の時間枠を取っていただいての実施。

終映後の質疑応答で、PTA系、といった観のある年配の女性から思わぬ批判をいただく。
昨年の田園調布以来の、まさしく思いもよらない視点からの登場人物の尊厳に関する批判だ。

ぐっとこらえて笑顔も浮かべつつ、応答したつもりだったが…
懇親会の席上で、コーフンしてますます早口になるオカムラが面白かったとの指摘。

あの女性の発言じたいが場を盛り上げるためのヤラセの演出ですよ、とケムにまいておく。
こうした、僕にとってのトンデモ系の発言があると、かえって他の方々の理解と思考を深めて、拙作と僕へのシンパシーが高まるようでありがたい。


2月26日(月)の記 辻堂下車
日本にて


上映会と移動のない日は、積極的に知人や親類などのお見舞い等を心がけることにする。
今日は神奈川の辻堂に移った知人を訪ねることに。
辻堂というのは、横浜より西、鎌倉の近く、ぐらいのイメージしかわかない。
中世的な地名の響きもよいではないか。

線路から海や山が見えるわけでもなく、ちょっと捉えどころがないところだ。
知人の住まう駅の北側はいかにも新開地といった感じで、鎌倉のような古刹感とはだいぶ遠い。

電動車椅子を使うようになった知人と昼食を共にする。
午後の談笑。
帰路、銀行のATMも探しつつ、少しは商店街もある駅の南側も歩いてみる。
立ち寄ってみたいカフェも見当たらないな。

横浜駅で神奈川新聞と崎陽軒のシウマイを購入。
帰路、東横線沿線で別の知人とお会いする。
流浪堂さんにも寄って、こうのまきほさんの展示の変化ぶりを楽しむ。


2月27日(火)の記 マジックムービー
日本にて


昼は、八王子にて会食。
京王プラザホテルのなかのレストラン。
八王子駅には、京王八王子駅とJR八王子駅があり、数百メートルの距離がある。
京王線の方が運賃が安いし、名前からして京王八王子駅に近いと思ったが…
JR駅が最寄りではないか。

帰路、渋谷駅で買い物をしてから六本木へ。
案内をいただいていた尾形一郎さんと尾形優さんの『UNMANNED』を見に行く。
ギャラリー名で検索して行ってみると、おなじ経営の別のところだという。
すでに閉廊近い時間で、うろたえる。

ああ、ここなら前の尾形さんの写真展と同じところではないか。
今回は動画を二つのモニターでかけ流しにしている。
これが、簡単に説明できるかどうか。

人工の照明がともる暗い環境のなかに都市と鉄道のジオラマがある。
それを鉄道模型に仕掛けたとみられるカメラの主観移動の映像で延々ととらえている。
駅のアナウンスが、さまざまな言語で時折り聞こえる。

ほんものの都市の夜景のようでもあり、特撮の世界のようでもある。
これが、見ていて飽きない。
目が慣れてくると、どうやらこの環境は模型らしいとうかがえる。
それでいてなにやら既視感があり、いっぽうまるで新しい映像体験の思いがする。
模型そのものはアナログ感あふれて、それが安心感につながる思いだ。

なんなんだ、そもそもこのジオラマは。
解説を読むと、これは尾形さんのご自宅につくった87分の一の模型だという。
無限とも見まがうこんな模型が自宅にあるとは!
まるで『ウルトラQ』の一話ではないか。

19世紀の心霊術師のエピソードを想い出す。
奇術師がトリックの見世物としていることが、本当は超能力によるものではないか、とコナン・ドイルも書いている。

この映像に映し出された世界は異次元に実在していて、それを尾形さんは撮ったのではないか?

3月31日まで。
http://www.takaishiigallery.com/jp/archives/17865/


2月28日(水)の記 佐々木信平との出会い
日本にて


午前5時台に祐天寺出家。
鈍行の乗り継ぎで、浜松へ。
明日からの沖縄ミッションに備えて恒川光太郎『私はフーイー 沖縄怪談短篇集』を読んだり、うとうとしたり。
ボリビア帰りの少女の登場する「夜のパーラー」が特に秀逸。

浜松ではホテルのレストランで竹を飼料や肥料に用いた食材の料理の試食会がある。
ブラジル奥地のフマニタスで奮闘を続ける佐々木治夫神父が零細農民の経済的基盤サポートのひとつとしてタケの活用を考えていることへの、参考になればと思って。
ちょうどこの日は都合をつけられたので、思い切った。

浜松市でも放置竹林が拡がるばかりで、官民一体となってのタケの活用を図るなかでの試み。
竹粉を飼料や肥料にしたという食材で、竹っぽさはないが、いずれもおいしい。
特に静岡産の和牛はブラジルでは味わったことのない柔らかさと美味しさ。
まあ、そこそこ佐々木神父へのお土産にできそうな情報はいただいた。

帰りは夕方のバスを予約したが、しばし時間がある。
ホテルに置いてあったチラシ類を漁ってみる。
平野美術館「佐々木信平回顧展」。
このチラシの画像がすごい。
青バックの畑で老人が作業をしている図。
ざわわ、ざわわ。
おお、この美術館、ここから徒歩圏のようだ。
行ってみる。

よかった!
佐々木画伯は畳二畳ほどの大作の画面の草むらを、一本一本植え付けるように描いたという。
美術館のスタッフに尋ねてみると、画伯は晩年までひとりで大作を描き続けたとのこと。
テレビカメラが入っている時は単独作業、マスコミをシャットアウトするとアルバイト動員で大作をいっきに作成するような売れ筋の巨匠とは、別次元の魂の産物である。
そしてそのことは、ひとりの作業を続ける僕にとっての励ましでもある。

いい展示を見させてもらった。
佐々木信平展は、3月25日まで。
http://www.hirano-museum.jp/sasakiten.html


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