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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/09/14)
6月18日(火)の記 爬虫両棲類学者の想い出

6月18日(火)の記 爬虫両棲類学者の想い出 (2024/06/20) 爬虫両棲類学者の想い出
ブラジルにて


こちらでの作業も、そう根を詰めてやらなくてもとりあえずはよさそうで。
先週から始まったブラジル国際音楽ドキュメンタリー映画祭を見に行くことにする。
https://br.in-edit.org/programa-2024/
充電と勉強。
なにせタダである。
オンラインでプログラムをざっと見て、とりあえず今日は国産物を2本ほどみよう。

1本目はブラジルの国民的音楽家Paulo Vanzoliniが主人公の『Um Homem De Moral(モラルの人)』。
彼の名曲、サンパウロのサンジョアン大通りを歌ったRondaという曲は僕でも知っている。

実は彼には僕の最初のブラジル取材、41年前に会っていた。
アマゾンの先住民とインディオ保護局職員らの抗争事件の取材のためにコスタリカの毒蛇取材からブラジル入りした若輩の僕は…

先住民の取材のあと、東京から次の取材命令が出るまでサンパウロで待機することになった。
そしてアマゾンでの生物取材をするよう指示がくだった。

まずはサンパウロで調査ということで、サンパウロ大学の生物研究者を訪ねることになって。
通訳のオドさんがアポを取った研究者は著名なミュージシャンと同姓同名。
会って尋ねてみると、同一人物だった。

どうしたことかいままでヴァンゾリーニ先生は鳥類の専門家だと思い込んでいた。
実際は爬虫両棲類が専門だった。
あらためて検索してみると、彼はアマゾニアの生物多様性について、日本語でモザイク理論といったらよいのか、それを提唱していたことを知る。

この映画で知ったのだが、彼のフィールドワークの原点がサンパウロ州のパラナ川流域だというのもなんだかうれしい。

映画では音楽家としての彼に焦点があてられるが、ポルトガル語で韻を踏んだ早口言葉といっていい歌詞には舌を巻くばかり。
ポルトガル語により通じていたら、絶妙に面白いことだろう。
ヴァンゾリーニ先生は2013年に亡くなられた。

8月に日本でアマゾンを語る時、先生のことも心にとめたい。



 


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