6月26日(水)の記 戌年移民の嘆き (2024/06/28)
戌年移民の嘆き ブラジルにて
干支がイヌだからというオチで出る話だが、臭覚と味覚が平均的日本人より鋭いようだ。 とはいえ、料理人として禄を食んでいるわけでもなく、それが日常的にメリットかどうかは疑わしいところ。
夕方、ブラジルの地方を回っていた日本人の友人がサンパウロに戻ってくる予定。 こちらのスケジュールはそれに合わせて調整してあるが、旅の疲れがどっと出がちでもあり、どうぞご無理はされないようにと伝えてある。
国内線の空港に到着した先方はぜひさっそく会いたいとのことで、いざ。 国際的ネットワークの民泊の宿をとったという。 わが家からメトロと歩きで1時間弱、多少の土地勘はある場所だ。
いちばん日の短い時期。 危険度は東洋人街あたりより低そうだが、用心に越したことはない。 アラブ料理というリクエストがあるが、調べると10数分の徒歩、リスクも加味しないと。 近くを歩いていて、まんざらでもなさそうな窯焼きピザの店があり、そこにしましょうということに。
意外なことに、先方はアルコールがまるでダメとのこと。 うらやましい。 ピザ系の店ならワインといきたいところだが、相手が飲まないこととメニューの金額を吟味して…
ブラジルの国民的カクテル・カイピリーニャをオーダー。 連れはフレッシュジュースを頼むが、わがカクテルの方が先に出てきて、そのまま時間がいたずらにすぎてゆく。 おやじ、オーダー落としたな。
再オーダーして待つことしばし、乾杯サウージ。
ぎゃ。 あの、冷蔵庫くさい味。 製氷機の氷を長期間、うっちゃっておくと氷に付着するあの好ましくないフレーバー。
わが家では極力これを避けるための手間ヒマをかけている。 安くない金を出してこれはないが、こういうのは証明がむずかしい。 店に入る前にネットの風評を調べようとも思ったが、それもナニかとそのまま入店。
この店にはサンパウロ名物の生ビール:ショッピもないという。 客の回転のよくない店は生ビールを置かない、というのは僕あたりでも知っている。 ロングネックの黒ビールをオーダー。
もう来ることもない店にとやかくいうのはやめておく。
電気炊飯器に長時間、入れっぱなしで異臭を放ち黄色味を帯びたご飯はイヤ。 冷蔵庫の悪臭を吸い込んだ氷もイヤです。 それって、贅沢な主張でしょうか。
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