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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/10/26)
9月1日(日)の記 サンパウロ 水俣 満州

9月1日(日)の記 サンパウロ 水俣 満州 (2024/09/04) サンパウロ 水俣 満州
ブラジルにて


朝、4週間ぶりにクルマを動かす。
フロントガラスにはホコリ、というよりスス状の汚れが覆っている。
屋根のある駐車場だが、これだけの汚れが。

昼に向けて、海老カレーを作ってみる。
日本の地元のミタケ・オアシン食堂で台風海老カレーを食べた影響。
・・・エビはもう少し大きいのか、増量した方がよかったかも。

あいかわらず、うとうとと読書。
水俣の本屋で買った鈴木荘一著『満州建国の大義 石原莞爾とその告白』を開く。

水俣には近くの「つなぎ美術館」で開かれた森田具海さんの写真展を見るために再訪した。
この8月に発刊されたばかりの森田さん著の『ここで眺める水俣 あとから来る者たちの場所』に収められた写真には、水俣病の患者さんも、チッソ水俣工場も写り込んでいない。
この本で、水俣の市街にある「ブックシティ一心堂」という本屋が紹介されている。

美術館のあと、水俣のビジネスホテルにチェックインしてからこの本屋に行ってみた。
本の他にゲームやCD、DVDの置いてある、失礼ながら特に趣も味わいのない店だった。
地元本のコーナーも見当たらず。
女性のスタッフに持参した森田さんの本を見せてみるが、これといったリアクションもない。
この本が置かれている気配もなく。

そんな書店で「石原莞爾」を掲げた単行本が表紙を表にして並べてあった!
石原莞爾は僕が先日まで滞在した山形鶴岡の出身、満州事変の仕掛人である。
東条英機に疎まれて第二次大戦中は閑職に追いやられ、東京裁判では無罪となる。
石原の『世界最終戦論』を読んで、僕は戦争というもののとらえ方が大きく変わった。

鶴岡の「アマゾン先生」山口吉彦さんと石原を、枠にとらわれないスケール観等で比較考察してみようと思っていたが、現地で両者を並べて語れる人もなく…
鶴岡の愛しの書店・阿部久書店では石原関係の書籍があり過ぎて、どれにも手が出せなかった。

それがナント水俣のヘンテツも石牟礼道子の本もないような書店で、こんな本が。
迷うが、シンクロニシティを重んじて買っちゃう。

さらりとした石原と満州帝国の概史といったところだが、『世界最終戦論』も付録でついている。

・・・偶然に身を任せてみよう。






 


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