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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/10/26)
9月13日(金)の記 ピエタの首

9月13日(金)の記 ピエタの首 (2024/09/16) ピエタの首
ブラジルにて


その日暮らしのワタクチとしては、珍しく来年のことの手配にオンラインでかかる。
さてどうなるか。

所用でセントロ:サンパウロの中心街に出る。
それに抱き合わせてボンレチーロ地区へ。

あらたな企画展開催中のサンパウロ聖美術館ものぞいておこう。
この美術館は地下鉄の最寄り駅チラデンテス駅構内に分館があり、しかも無料でありがたや。

分館では、サンパウロを中心とした民衆レベルのカトリック信仰のテラコッタ類の展示。
きんきらぎんぎらではない、土と焼き物の温かみが伝わってくる。

迷うが、「今日のアート」はこれにしよう。
https://www.instagram.com/p/C_4p96LONx9/

18世紀につくられたピエタ像。
イエスの首を欠いている。
首を欠くことで、かえって無限の想像を掻き立てるではないか。

富山妙子さんの版画『光州のピエタ』、ミケランジェロのバチカンのピエタなど、いろいろ見てきた。
が、首を欠くものを意識的に見たのははじめてだと思う。

想えば縄文土偶、ギリシャの塑像、廃仏毀釈にあった仏像など、首などを欠損する偶像は少なくない。
ブラジルの守護聖母となった黒いマリア、アパレシーダの像も首が欠けたので川に捨てられたのでは、と言われている。

ああ、今日もう一つわが眼を射たのは美術館本館にあったヴェロニカ像だった。
これはずばり、十字架の道行きのイエスの顔のプリントだ。


 


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