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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/10/26)
9月18日(水)の記 パーソナルスペース

9月18日(水)の記 パーソナルスペース (2024/09/19) パーソナルスペース
ブラジルにて


プライベートの動画の編集作業に入った。
視聴するのは関係者だけだろうが、どのような語り口にするか。

最低限の情報は施した方がよかろう。
撮影の場所と日時。
被写体の人物のこと、撮り手の僕のこととその関係など。

アタマのなかで文案を考える。
午後にでもカフェかバールにでも行った際に書き出してみるか。

さて、午後。
今日は遠出は、なし。

買い物のついでに、アヴェニーダの向かいにある角のバールに行ってみる。
空いている時間で、通りに面した席をとる。
キビというアラブ起源のスナックと、すでに砂糖の入ったカフェコンレーチェ(ミルクコーヒー)が運ばれてきた。

と、路上から「コーヒーおごってくれよ」とかなり強烈ににおう男が接近してきた。
驚きあわてて、ただ「NÂO(否)」と言って防御の体制をとる。
この付近の交差点で通行人が路上生活者から石で殴られて負傷するという事件も生じている。

鶴岡の喫茶店「コフィア」で求めた嶋中労さんの『コーヒーの鬼が行く』(中公文庫)を読み終えたところ。
このなかに「パーソナル・スペース」についての言及があった。
検索してみると、さっそくこうある。

他人が近づいてくると不快に感じる空間や距離(=心理的距離)のことを指す言葉です。
動物が自分自身の縄張りを侵されると威嚇や警戒をするのと同様、人間もあまりに近寄られ過ぎると不快感を覚えます。

( https://www.wel-knowledge.com/article/engagement/a153 #)
自らコーヒーを淹れる喫茶店主が、初めての客にいきなり自分の目の前のカウンター席に座られるとこれを感じるという。

オカムラのサベツ意識のあらわれだ、と言われればそれまでだ。

が、こちらが彼の領域を犯したのではない。
ささやかなポケットマネーで作業の合間の一服と喫茶、そして少しクリテイテイヴな書きものをしようとしている時に、いきなり僕にとって不快臭ともに至近にやって来られては…

かつ、なおもこの席に座っていては彼がなにか攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

雑記帳を取り出す気もなくなった。

ゆるくてお気に入りの店なのだが、今後は道路寄りの席はやめておこう。






  


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