9月29日(日)の記 こどものためのハンナ・アーレント (2024/10/02)
こどものためのハンナ・アーレント ブラジルにて
ブラジルを代表する新聞社FOLHA DE S.PAULOが刊行している絵本のシリーズ「子供たちのための思索家たち」シリーズが面白い。 というか、ためになる、というか勉強になる。
まずはポルトガルの文豪フェルナンド・ペソアを購入。 この説明のむずかしい巨人を、よくぞ咀嚼して書いてくれた。
ついでブラジル先住民のオピニオンリーダーで個人的にもかかわりのあったアイウトン・クレナッキを買って。 これのテキストもすばらしい。 ブラジルの子供たちに心地よい嫉妬を覚えるほど。
そして三冊目にハンナ・アーレントを買った。 彼女について説明せよ。 ・・・たしかユダヤ人で、ナチスの迫害を逃れて、たしかアメリカ合衆国にわたって著述活動を、といった感じだっけ?
日本のリベラル、そして左派の人の書きものにしばしば登場する。 名前には親しみ、短い引用ぐらいは読んだことがあろうが、著作(もちろん訳本で)そのものには接したことはない、恥ずかしながら。
日本の中学高校と、日教組や民青系の教員はいたが、さすがにその頃、ハンナ・アーレントを持ち出すような強者はいなかった。 日本で言及されるようになるのは、もっとあとになるのだろう。
それにしても。 ブラジルでは「こどものための」である。 ブラジルは初等教育が8年だが、そのあたりがターゲットだろう。 日本でいま、小中学生にハンナ・アーレントを語るような教員は存在するだろうか?
この絵本のなかでも彼女の説く「悪」について言及されている。 まず僕自身、この絵本をよく読み込まないと。
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