10月1日(火)の記 偉人から異人へ (2024/10/02)
偉人から異人へ ブラジルにて
さあ今日は一日断食。 今日は、ぎたぎたと暑くなった。
暦の上でまだ春になったばかりと思うと、この先にくらくらしてくる。 ひと駅半ほどの距離のある水曜の路上市に、思い切って行ってみる。
昼過ぎで安売りの始まった小袋入りの野菜をあれこれ買って。
バンカと呼ばれる「新聞スタンド」に寄ろうか。 そもそもバンカの数は減る一方で、いまや新聞を売っているバンカを探すのもひと苦労だ。 サヴァイヴァルをはかるバンカは活字ではせいぜいコミックやクロスワードや「数読」冊子ていど、あとはドリンクや菓子類、スマホ関連グッズなどを商うようになっている。
ここのところ書いている当地の新聞社刊の「子供たちのための思索家たち」シリーズを置いている店を探すのは、さらにたいへん。
路上市の帰りのほぼノーマークだったバンカの店頭にこのシリーズが一冊、置かれていた。 Frantz Fanon。 恥ずかしながら、この人のことを知らなかった。
買おう。
日本での少年時代に、いわゆる「偉人伝」をそこそこ読み耽っていたのを想いだす。 いまでも印象に残るのは、野口英世、キューリー夫人・・・。
「偉人」という言葉に接しなくなって久しいな。 価値観が多様であるべき時代に、「偉人」という言葉じたいがウサンくさいとは僕も思う。
ちなみにこのブラジルで刊行中の、子供のための世界の思索家シリーズ。 当時の日本の「世界の偉人」シリーズとは、ひとりもかぶらないかもしれない。 そのことがおもしろい。
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