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岡村淳のオフレコ日記
     西暦2024年の日記  (最終更新日 : 2024/10/26)
10月6日(日)の記 カナディアンゴジラにアジアの戦争を教わる

10月6日(日)の記 カナディアンゴジラにアジアの戦争を教わる (2024/10/08) カナディアンゴジラにアジアの戦争を教わる
ブラジルにて


少しでも身辺整理を。
借りていたブラジル発行のコミック類を返さねば。

ぜひ日本語圏の友人知人に紹介したいものの写真を撮っておく。
折を見てフェイスブックにでもあげよう。

ひとつはポルトガル語題が『Godzilla – A Guerra de Meio Século』、訳すと「ゴジラ‐半世紀の闘い」。
作者はカナダ人のJames Stokoe で原版は英語。

物語は日本の初代ゴジラ映画公開の西暦1954年の日本から始まる。
Shinigawa という、おだやかではない地名が出てくるが、これは確信犯だろうか?

さてさっそく朝鮮戦争帰りというアメリカ軍人が登場して息を呑んだ。
僕はこれまで朝鮮戦争とゴジラの存在をならべて考えたことがなかった。
1954年11月に公開された映画『ゴジラ』の誕生は、同年3月のマーシャル諸島での水爆実験による日本の第五福竜丸の被曝事件の影響を受けていることはよく言及されている。

しかし、朝鮮戦争は…
朝鮮戦争の期間は、1950年から1953年。
初代『ゴジラ』公開の前年まで、日本から一衣帯水の朝鮮半島で核兵器使用の危機もあった戦争が行なわれていたのだ。

昨年、公開されたゴジラ映画のタイトルは『ゴジラ-1.0』だが、はからずもゴジラ誕生の一年前までこの戦争が続いていた。

そしてこのカナダ人作家のコミックでは、次いでベトナム戦争中のベトナムにゴジラが登場するのだ。
ベトナム戦争の期間は、その開始については諸説あるようだが、1955年を掲げるものが多く、1975年まで。
初代ゴジラの翌年にはベトナムで戦争が行なわれていたわけだ。

『ゴジラ-1.0』で顕著だが、われわれ日本人はあまりにゴジラを日本の枠内でとらえて閉じ込めようとしている観がある。
戦争も怪獣も、常に被害者は日本だけ、といった…

カナダ人のゴジラオタクのコミック作家のブラジル版ポルトガル語の作品に教えてもらった。






  


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