10月26日(土)の記 勝平得之と鬼海弘雄 (2024/11/09)
勝平得之と鬼海弘雄 日本にて
旅の楽しみのひとつは、地元ゆかりの芸術家とその作品を知り、触れることだ。 秋田では県内遠路から友人が駆けつけてくれて、昨日は助けてもらった。
彼女から市内にある赤れんが郷土館付属の勝平得之記念館をすすめてもらった。 今日の出発を遅らせて、午前中に行ってみることにする。
これはよかった! こうしたところ・作家を教えてくれる友を持つ喜び。
勝平得之さんは、秋田市出身の創作版画家。 郷土の風景、民俗、ひとを生涯、掘り続けた。 その作品群の時空に、いつまでもとどまっていたい思い。 「秋田の四季」展は11月24日まで。
後の予定がなければ、ここから出れなくなっていたかも。 勝平さんの作品を時系列でみていくと「あの戦争」の時も前後もまるでブレずに、未曽有の国難の戦争などなかったように秋田の民俗が描き続けている。
おなじく秋田ゆかりで、ネコと少女の世界から息を呑む戦争画を描き始めた藤田嗣治とは、えらい違いだ。
このあたりを考えてみたい。
JRを二回、乗り換えて山形・寒河江へ。 19時閉館の寒河江市美術館にまだ間に合う。 寒河江出身の写真家『鬼海弘雄回顧展』へ。 11月4日まで。
いい。 大判の人物ポートレイトが中心。 鬼海さん自身の人柄、相手とのここちよい関係性がうかがえる。
人間を写真の被写体のみ、ウリモノとしてしかとらえていないウレスジの写真家との違いがわかるように思う。
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